開始5分後、ネネから三都主へ1本のロングパスが通り、怒濤のハーフコートマッチ開始。
トップ下に入った山田の仕事は、山瀬に習えばチャンスメイクと裏への飛び出しの筈だが、苦節10年の感情が爆発してしまったのか、あんまり周りが見えていないようで、ゴール前の人口が多かろうと少なかろうと前へ前へと突撃。
両サイドは「俺が決める」という気合い満々で、クロスをほとんど飛ばさない。
従って、浦和は前掛かり故に有利に見えるが、ゴール前に味方が密集してしまったため、逆にゴール前のスペースが無くなって最後の局面で攻めあぐねるという、典型的な攻め急ぎの症状を呈し始める。
これを打開するにはセットプレーが定番だが、前半全てのフリーキックを任されていた三都主が、代表の疲れか力が入りすぎたのか、あまり工夫のないキックを蹴るばかりで点に繋がらない。
そういえばセカンドステージ前半、「浦和はセットプレーが苦手」と言われていたことを思い出した。
さらに名古屋のマリーシア系プレイのお陰で
「ファール」→「浦和側のセットプレイ」→「名古屋抗議」
と続くぶつ切り展開。
民放なら絶好のCMタイムだったろうが、残念ながらCMの入らないNHKではこの場面をず〜っと見せられるわけで、現場と違って「緊張感」や「熱気」をそれほど感じられないテレビ観戦には辛い試合になってしまった。
しかし浦和の選手は何をそんなに焦っていたのか。
これが経験値というものなんだろうなあ。
そんな中、清水戦のリプレイを見るかのような攻撃によって、名古屋が先制点を奪ってしまう。
(11月23日:柏じゃなくて清水でしたな、訂正しておきました)
気が付けば誰もいなくなっていた浦和左サイドに開いた中村直が内へ切り込んで、走り込んできたマルケスへパス。
闘莉王、アルパイのフォローもむなしくマルケスのシュートは山岸の手をすり抜けてゴールに収まってしまった。
これでさらに名古屋の時間稼ぎモードに熱が入る。
しかし前半終了直前のマルケスの交替は露骨すぎるな。
交替を告げられたマルケスの激怒が演技だったら、サッカー選手よりもふさわしい職業があると思うが、いくら何でもそれはなさそう。
この采配でネルシーニョの求心力が失われていれば今期限りか。
これで焦らされた浦和は後半になって「とにかく攻撃」とばかりにバランサー長谷部を下げて岡野を投入。
残念ながらこれは悪手。
前回は永井の代わりに投入されてジョーカーとなった岡野だが、今回は似たようなキャラクターの選手がピッチ上に溢れているために、ほとんど目立てないまま。
その後、エメルソンが自分をマンマークしていた大森をイエロー2枚で退場に追い込む。
これで数的優位を得た浦和は中盤どころか最後尾までも省略したパワープレイを開始。
ところが、これで中盤にこぼれたボールを拾えなくなり、名古屋のチャンスが逆に増えてしまった。それを決められなかったウェズレイはまだ本調子でない、ということだろう。
結局、角田に追加点を決められた辺りで緊張感の糸が切れたのか、浦和選手の足が完全に止まってしまう。
現場にいないので雰囲気は分からないが、途中でG大阪が負けている、という情報がサポーター席にも流れたのか、会場の異様な熱気も冷めていったように見えた。
この中で奮闘していたのがエメルソンとアルパイ。
アルパイはボールを持つと最後尾から一気にドリブル。ゴール前まで到達すると自分でシュート。これは入らなかったが、数的優位を生かすには効果的なプレイ。
ただ、途中でブッフバルトに何か言われていたので、そのとき「どんどん上がってくれ」と指示を受けていたのかも知れない。
エメルソンもボールを受ければ、切り込んで切り込んで切り込んで、ついにPKをゲット。ついでにPKに抗議したクレベルソンを退場に追い込み、さらに自分で得点。
これで息を吹き返した浦和は、やっと前線に大勢いるという状態を生かし始めて近くから遠くから次々とシュートを放つが、こんな状況でも一人平常心を失わなかった楢崎が、GKの教育ビデオにでも使えそうな的確なプレーを次々に繰り出して得点を許さなかった。
今回のMOMは間違いなく楢崎だろう。
しかし、ウェズレイに股抜きを喰らったりしていたネネは明らかに3バックの「弱点」と認識されてしまったようで、後半の追加点もネネが止めなきゃいけない角田の抜け出しを許したもの。
チャンピオンシップの浦和左サイドは佐藤由を相手にする可能性もあるので、ブッフバルトにしてみれば坪井の復帰が待ち遠しいところだろう。
それとトップ下。
ミドルシュートを打つタイミングとか、裏に潜り込むセンスを比べると、山田よりも永井の方がトップ下に向いている気がする。
チャンピオンシップではドゥトラが戻ってくる可能性も高いので、山田のスタミナや守備力を考えると、右サイドに戻した方がアルパイも安心なんじゃないだろうか。
ところで今日の浦和優勝に関しては、
「勝負にこだわる」わりに肝心なところでコケる、あるいは骨っぽい相手には空っきしの西野采配。
元々、勝負弱さがチームカラーの一つとも言えるG大阪。
という両者の結婚から、達観したG大阪サポーターなら「今日負けて浦和の優勝決定」というシナリオが見えていたかも知れない。
サポーターでないJファンはみんなそう思っていたろうけど。
と、ここまで書いてきてふと思ったのは、西野サッカーってドイツサッカーなんだろうなということ。
3バックで攻撃はサイドから、ってのが黄金期のドイツサッカーの定番だし、代表選手時代に西野監督は1FCケルンに留学しているから、そんな的はずれな推論でもないと思う。
だから「本物のドイツサッカー人が率いるチーム」が「ドイツ風味のチーム」を撃破したのが今年のセカンドステージ、ということになるのか。
まあ、それを言い出せば一番おいしい「和風ドイツサッカー」は奥寺GM、リトバルスキー監督率いる横浜FCが実現してくれないとおかしいんだけど。
ただ、西野監督にエメルソン、アルパイは操縦できないだろうな。
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