2010/01/18

そういわれれば日本最強の若旦那

首相、本28冊まとめ買い 「資本主義勉強します」(47 NEWS)

鳩山首相が購入した本(47 NEWS)

(悟桐書院)

既に旧聞ですが。
全般的に政治と経済に関係する書籍の仲で異彩を放つのが「談志 最後の落語論」。

鳩山首相はお笑いが好き、ということは水道橋博士が言っていたが、談志のファンなのか、名前に惹かれて買ったのか。
しかし、かつて中島らもがてっちゃんのオヤジの口を借りて「書いているものの意味が分からん」と評された松岡正剛がお供に付いていたのに談志の本を買うとは中々。この人が褒めていた安藤鶴夫は談志の仇敵なんだけどな。

それはともかくこの「談志 最後の落語論」はこれまでの落語論の集大成にプラスして「滅びつつある江戸の風」論を展開していてお買い得な1冊。
なるほど、と思ったのは「円朝ってのは今で言う『韓ドラ』みたいな扱いだったんじゃないのか?」という一言。「『わっ』て驚かせるなんて安っぽいドラマじゃねえか」ということで、そういうドラマが良い悪いというよりも「それって落語じゃないだろう」ということなんでしょうな。でも「『死神』はいい」。うん、これもよく分かる。他の円朝作品と「死」の扱いが違って「ほら、消えるぞ消えるぞ」(Wikipedia)だもんなあ。
ちなみに小三治も「笑芸人」で「『死神』は滑稽話にしてこそ、だよ」と言っていた。方向性は違えども名人の心意気ってのはこうして同じ結論に収斂していくのかも知れない。もっとも、小三治について談志は何も言っていませんが。

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2010/01/01

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
今年はいよいよW杯年。行けるかなあ。行くには仕事辞めなきゃならないのかなあ。いい年してW杯退職かあ。南アフリカの思い出を胸に餓死するのかなあ、、、って新年早々しみったれた話で申し訳ない。

【第89回天皇杯決勝】本日の試合結果(J's GOAL)

天皇杯の決勝は、ただでさえちょっと実力で下回る名古屋が清水との総力戦を通過してしまったのに対し、G大阪は仙台戦がちょうど良いリハビリになってしまったうえにベストメンバーだったからなあ。実力以上の点差が付いた感じですな。
去りゆく松代が大活躍の遠藤に関して「いつもあれくらいやってくれたら楽なのに」とコメントしていたけど、あ、やっぱり。そう思ってたのは観客だけじゃなかったんだ。

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2009/12/30

アニマルスピリット

(東洋経済)

まあ、今更ですが。
訳者が「経済学に詳しくない人が読むと『何を当たり前のことを言っているんだ』と感じると思う」と総括しているが、確かにそんな感じ。
経済学は「こうなったからこうなったんです」という現状分析には有効で、先を見通す場合でも「こうなったらこうなるでしょう」と予測は出来る。ただ、ある程度不確定要素は割り切らないと数式が作れない。学問である以上、単純化は避けられないわけで、結局のところ予測はする人によって良くも悪くもなってしまう余地はある。逆に言うとだから学問だと言えるんだけど。
しかし「こうなったらこうなる」だけで理解しようとするんじゃなく、人間の本性「アニマルスピリット」という要素を加えれば現実と乖離しない処方箋が作れる、というのが著者の主張。一々納得させる論理は矛盾無く見事なもので、報告書を作る時は見習いたい。
今年を締めくくる読書にはちょうど良かったかな。「ブラックスワン」とのカップリングで。いや、こっちはまだ読みかけなんだけど。

結局のところ、人は先を見通せない。高度な金融工学でも、ブラックスワンが舞い降りることは見通せなかった。舞い降りる前に認知できるだろうと勘違いすることになっただけ。
「無知の知」を認識して「あ、こういう事もあるでしょうな」ということで起こったことに対処していくしか無いんでしょうな、人生は。

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2009/12/28

ハードボイルドではないね

デイン家の呪い(新訳版)(ハヤカワ・オンライン)

ポケミス版は読んでいるが内容は全然覚えていなかった。
元々が5つの独立した短編を1つの長編にまとめ直したものなので、次から次へと新しい人物が登場して、次々と異なる事件を起こしたりと筋書きは結構煩雑。受動的な主人公の行動は狂言回し的で、強烈な主人公が物語と読者を引っ張っていく「マルタの鷹」や「血の収穫」に比べると印象が薄く、だから覚えていなかったのかなあ。

ハメット研究家でもある訳者の小鷹信光氏があとがきで「ゴシック調」と言っているが、超自然的運命と思わせて合理的理由で結末を迎える内容は確かにゴシック小説。ゴシック小説って元々は超自然現象を肯定しない内容だったから。
「モルグ街の殺人」由来のミステリー的に由緒正しき「フランス」がキーワードになってるし。

ダシール・ハメットはハードボイルドというミステリーのサブジャンルをいち早く完成させたことで歴史に名を残したけど、この小説を読むとローテーション的に書く小説は必ずしも「男のハーレクインロマンス=ハードボイルド」だけじゃなかった事がよく分かる。
ハメットの後半生は映画化権の売却で収入が安定したり、晩年は赤狩りにもあったりして「書けなくなった」ことで有名だけど、新作は常に興隆を迎えていたハードボイルド小説を期待されていたろうから、自分の模倣に陥ってしまうことを嫌がっていたのかも知れないなあ。
オリジネイターとして消えていったと考えればある意味天才。こつこつと自分を磨き上げていったチャンドラーとはそこが違うのか。

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2009/09/05

原作より映画が先

アラン・ムーア『フロム・ヘル』日本語版オフィシャルサイト(みすず書房)

みすず書房から出版てのは結構意外。
挙げられている4冊の参考文献のうち、3冊が品切れ、ってのも如何なものかと。

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2009/07/08

媒体変わるも支配者は同じ

iPhoneに雑誌を有料配信 電通などスタート、年内に30社50誌

電子ブックで肝心な点はコンテンツ。
で、MAGASTOREはさすが電通が総指揮を執っているだけあって、メジャーどころが沢山いますな。角川と集英社はいないみたいだけど。
これが成功して電子雑誌のデファクトスタンダードになれば、Kindleへの国内限定ゼロデイアタックになるなあ。日本の雑誌を電通が支配する、ってのは媒体が変わっても同じ事な訳ね。

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2009/07/05

大物封印はあと1つ

幻のオバQ復活 藤子・F・不二雄大全集24日に(asahi.com)

藤子・F・不二雄 大全集(小学館)

色々あったオバQだけじゃなく、最近元気のないどっかの団体と色々あった「ジャングル黒べえ」も復活するそうな。小学館じゃなければ出来なかった仕事かも。
特設サイトのトップページのバックに「見たことないなあ」という作品をあえて選ぶところが、長年一緒に仕事をしてきた余裕か。
でも、刊行スケジュールのページのバックはオバQだったりして、やはりウリなんでしょうな。

これで封印作品の大物は残すところ「キャンディキャンディ」。これは無理だろうなあ。

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2009/06/25

ボギー、あんたの時代は良かった

さよなら、愛しい人(ハヤカワ・オンライン)

ギリギリネタバレあり。

映画版「さらば愛しき人よ」の主演はロバート・ミッチャムだけど、チャンドラー作品を読むときはどうしても「3つ数えろ」のハンフリー・ボガードが浮かんできてしまう。

それはともかく、恐らくタイトルだけならチャンドラー作品の中でもっとも有名な「さらば愛しき人よ」の村上春樹による新訳。
チャンドラーを知らない人でも何となく知っているタイトルを「さよなら、愛しい人」と改題した理由は書いていないが、「ロング・グッドバイ」の訳者後書きで述べていた、尊敬する先達の仕事と自分の仕事を区別したかったから、というものと同じだろう。

若いなあ、マーロウ、と苦笑しながら翻訳した、と後書きにあるけれど、確かに「ロング・グッドバイ」と比べると明らかに笑わせようとしている言い回しが多い。その分、細部の書き込みから全体を浮かび上がらせる手法は徹底していないので、初めてチャンドラーを読む人にはこちらの方が取っつきやすいかも。
自分も「ロング・グッドバイ」ではじっくり3日くらい潰したけど、こちらは雑用をこなしながらの2日で読めたから。

ストーリーは再読するまで忘れていたけれど、最後の台詞、
「しかしさすがにヴェルマの向かったところまでは見えなかった」
は覚えていたなあ、清水俊二訳とは言い回しが違うけど。作家であれば一度はパクリたい締めだろうな。

ちなみに次は「湖中の女」を訳したいと後書きにあった。
これは最後に確か治安維持かなんかで駐留していた陸軍の偉いさんが言う台詞
「そういうときは撃っていいことになっている」
が印象に残っているなあ。いや、これだけ取り出してみるとなんでいいのか分かりませんが。

ところでこの「さよなら、愛しい人」っていうのは誰に向かって言われているんだろう。読んでもよく分からなかったりして。マーロウはヴェルマに惚れてたわけじゃないし、ムース・マロイは言われる方だし。言われなかったけど。

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2009/06/22

私のペイパーバック

私のペイパーバック(ハヤカワ・オンライン)

恐らく世界的にも有数のペイパーバックコレクションを一望できる一冊。
折り込みのゴールドメダル社コレクションはまさに圧巻。
内容はあっちに飛びこっちに飛びという感じで、モノによっては「これ1冊に引き延ばせるなあ」というネタがあったりして、ちょっともったいない。
そのうち「私のペイパーバック紀行」か「私のハードボイルド紀行」という本を上梓してくれないかなあ。
ところで小鷹さんはジム・トンプスンには今ひとつ乗れないんですな。

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2009/06/21

ランディ・カリフォルニアは故人です

「ライ麦畑でつかまえて」続編、出版差し止めの仮処分(ロイター)

内容がどんな物か分からないのでどちらの主張が正しいのかは分からないけれど、ひょっとしたらこの「ライ麦畑を通ってきて」の著者(J.D.カリフォルニア)と出版元は訴えられてから初めて「サリンジャーってまだ生きてたのかよ!」と思ったかも知れない。少なくとも自分はそう思ったなあ。
著者の名前から判断する限り、パロディなんだろうな。

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