2013/03/06

手放しで喜べないかも知れないiBook Store Japan開店

追記:10時頃に突然まともなナビゲーションが出現。段取り悪い気もするが、コンテンツ登録には時間がかかる、ということでナビゲーションを後回しにしたのかな。部外者には何とも判断が付かないけど。

1月中にAppleと大手出版社が合意したことで、そのうち始まるんじゃないか、と色々な媒体で憶測を呼んでいたiBook Storeでの日本語書籍販売
今日突然始まった。プレスリリースらしいものというと、iBooksのアップデータに書かれた一言
「日本のiBookstoreでもブックの販売を開始しました。」
検索をかけると結構色々出る(出版社でも著者でもタイトルでもOK)んだけど、ナビゲーションらしきものが酷い仕上がりで、どんな品揃えなのかさっぱり分からない。

どうやら準備不足。iTunesのリンクの張り方でも何となく推測できる。
契約上、今日までに公開しないとアウトだったとかあったんだろうか。ジョブズ不在時の90年代頃のAppleはカオス状態だったらしいけど、また同じ事になっているのかなあ。

メニューのApp Storeから「ブック」を選ぶ。

Ibookstore1_2


それなりのナビゲーションが表示される。

Ibookstore2_2

追記:以下のリンク問題は10時頃に解決されてました。今はリンク自体がない、という荒技
iTunes下部のリンク「ブック」を選ぶ。

Ibookstore3_2


これまでと同じナビゲーションが表示される。

Ibookstore4_2

2011/01/03

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
自分もネコも寝正月な元旦でした。

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2010/12/27

リトル・シスター

(ハヤカワ・オンライン)

今回の決め台詞「誰かの夢が失われたようだね」
村上春樹のチャンドラー翻訳第三弾。
個人的には彼の著作じゃなく翻訳物ばかり読んでるなあ、最近は。

清水俊二訳「かわいい女」を読んでいるが内容は全く覚えていない。
巻末の解説では訳者が「誰が誰を殺したかとか、人間関係の説明があやふや」と指摘しているが、込み入っている割に説明不足のストーリーを理解しきれなくて覚えていないのかも知れない。
巻末の解説では他に「この小説はチャンドラー自身が嫌っていたせいか世間的な評価は低い(でも訳者は気に入っている)」「チャンドラーは売れっ子脚本家だった」「翻訳時に登場人物の兄弟関係を改めた」「登場するギャングの1人はバグジー・シーゲルがモデル」等々の情報が載っていて面白い。
チャンドラーがハリウッドで脚本家をしていたのは知っていたけど、売れっ子だったのは知らなかった。あれだけ決め台詞を量産した人だと思えば当たり前か。

解説ではやや混乱したこの小説があったから「長いお別れも」存在するのだ、と結論づけているが、自分なりにこの説明を解釈すると、早い話チャンドラー自身が「このままじゃいけないな」と反省して、人物関係とストーリーを整理した上で華麗な描写で物語る緻密な傑作「長いお別れ(ロング・グッドバイ)」を執筆した、という事なんだろうか。
その後、奥さんを亡くしてしまったこともあって半引退した後に、大分薄くて毛色も違って物語もなんだかあやふやな作品「プレイバック」1作だけを上梓してチャンドラーは永眠してしまうわけだが、奥さんの死だけでなく「長いお別れ」のストーリー整理も重荷だったことも半引退の原因だとしたら、やっぱり整理して書くのは苦手なんですかね。

ところで今回の新訳もタイトルを変更しているが、訳者に依れば「旧題の『かわいい女』だと、原題が差している登場人物とは思えなくなるので、敢えて原題に戻した」という。
個人的には旧題の方がハードボイルドっぽくていい気がするが。
やっぱりハードボイルドは娯楽小説でもあるから、そういうちょっといい加減な感覚的なところも残しておいていいんじゃないかなあ。そういういい加減さがあったから、チャンドラーの「謎解き」があやふやでも見逃されてきたんだろうし。

2010/08/10

提携しないところが勝てるかも

ケータイ大手3社が電子書籍事業へ本格参入--各社の動向を振り返る(CNET Japan)

iTSが成功したのは「会社縛り」が無かったってのも一因で、要するにソニーのmoraだとソニー以外の会社にしてみれば「なんでソニーの商売に手を貸さなきゃなんないんだよ」ということになってコンテンツが集まらないが、iTSはモノがデータになること以外は単なる販売店だから、交渉次第でコンテンツを集めることが出来た、という訳。一時期アップルがユニバーサル・ミュージックを買収するという噂(CNET Japan)があったが、もしこれが本当だとして実現しなかったのは「iTSから他のレコード会社が逃げかねない」という判断故だろう。

というわけで、キャリア各社とも色々と動いていることではあるが、それぞれのキャリアに電通、凸版、DNPと媒体を牛耳る存在がきれいに分かれて提携しているところが怪しい(笑)
とはいうものの、ソフトバンクとKDDIはコンテンツの持ち主と提携しているところが弱い。
となるとDNPとだけ組んだドコモは慧眼と言えるのかも知れないが、「電子書籍専用スマートフォン」という中途半端な製品をぶち上げている点で先行き不安。「電子書籍専用端末」か「電子書籍も読めるスマートフォン」ならまだ分かるが。そんなの請け負いたがるハードウェア会社はいるのかねえ。
結局、プラットフォーム提供側としてはなにやら色々提携するよりは「こういうプラットフォームを作りました、コンテンツを提供してくれません?」とさっさと各出版社と交渉を始めた方が話が早い気がするが。「紙→デジタル」への変換をどれだけ楽に行えるか、あるいはその費用をある程度プラットフォーム側が負担するのか、というのが交渉の要点かな。

コンテンツ提供側としての正しい振る舞いは、勝手連的に動き回って全部のプラットフォームにコナを撒くってところではないかな、と思う次第。ダメになったところから徐々に引き上げていけばいいわけだし。

2010/08/02

リーマンショック・コンフィデンシャル

(ハヤカワオンライン)

扱われている期間は1年に満たないのに700ページを超える大作。時系列的に描かれているが故に却って同時進行で描かなければならない場面が膨大になり、めまぐるしく転換していく。いわゆるグランドホテル形式(Wikipedia)。金融版ER。

もちろん登場人物も大変な数で、前半ちょい役のくせに後半再登場したりしてはっきり言って途中で覚えるのは諦めた。まあ、複線が回収されるようなミステリーじゃないからね。ミステリーと違って現実だから事件も解決しないんだが。

とはいうものの、物語が進行して行くにつれて自然に登場人物の色分けが出来てくるのが面白いところ。
主人公はポールソン財務長官。前半はもう1人の主人公としてリーマンブラザーズのCEOリチャード・ファルドが強烈な個性を発揮。慌ただしい物語を更に加速させる。リーマンが破綻してファルドが退場すると代わって主人公に躍り出るのがAIGのCEO、ロバート・ウィラムスタッド。ただし、「典型的なウォール街の銀行家」と描かれているようにファルドほど面白い人ではないのが残念。
全編に渡って助演するのがガイトナーNY連銀総裁とJPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン。ガイトナーが主人公の相棒で、ダイモンがはっきり言って悪役。
他の登場人物というかCEOたちは叩き上げが多いのに対し、ダイモンは銀行家3代目。「ある程度最初から成功が約束されていた」なんていう作者の評価が悪役感を加速させる。ベア・スターンズ救済交渉を有利に勧めたり、ヤバくなった金融機関に「保証金を払ってくれないと、、、」なんて電話したりと、わざとそういう場面ばかり描いているんじゃないかと思わせてくれるくらいの悪役ぶりを発揮。ただし、他の登場人物が「まだ何とかなるのでは?」と思っていたときに「下手すりゃアメリカ金融が全滅するぞ」という危機感を最初に持ったのも彼なので、立ち回りが周りより半歩早く、ちょっとずるがしこく見えるのもやむを得ない。報道ではその名がよく取り沙汰されるベン・バーナンキFRB議長がほとんど登場しないのが案外なところだが、FRBは立法機関じゃないからか?

最後に政府が主要金融機関に力ずくで公的資金注入を呑ませるところで物語は終わる。
意外だが、この公的資金注入は政府の介入を嫌う金融機関(ウエルズファーゴ)は迷惑がり、JPモルガンも「これじゃライバルがみんな助かってしまう」と思いつつ渋々受けたんだとか。

この本に結論はない。
その時のアメリカの主要人物たちの判断が正しかったのかどうかは未だに議論されているわけだから、これは仕方がない。
五大投資銀行は全て消えてしまい(ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは銀行持株会社へと業態を変えた)、アメリカの失業率は高いままで、欧州の一部の国々は国債の格付けが下がり、、、と未だに世界は後遺症を抱えているが、あのときに対策を講じていなければもっと酷いことになっていたのかも知れないし、ならなかったかも知れない。

この本が教えてくれるのは、アメリカのおそらく最高クラスのホワイトカラーであろうと、人間というのは連絡ミス、間違った楽観、思い違い、個人的感情で後から見れば苛立たしいくらいに状況を見誤るんだ、という他の歴史でも確認できる事実か。
じゃあ、他の歴史書でもいいんじゃないか? という意見ももちろんだが、最新科学であったはずの「金融工学」という錦の御旗の下に「市場の秘密を解いた」と思いこんでいた人たちが、実はそんなことはなかったという点が興味深い。
人間は始皇帝の時代よりは知性的になっているのは間違いないとは思うが、根本のところでは太古からそれほど変わってはいないし、おそらく今でも我々は何かを勘違いしているんだよ、ということを認識するにはもっとも適している事後検証だと思う。
911とイラク戦争はテロリストとアメリカがお互いに勘違いしていただけだからね。

そんなわけで「投資銀行家は愚かだったかも知れない。でも、自分は? 儲かるチャンスが目の前にあってそれを捨てて清貧主義でいられるのか? みんながそういう状況に陥ったら? 誰がいつそれを止める?」という問いに対して「みんなに清貧主義を強いれば良いと思う」という人は読まなくても良いと思う。世間はそれを社会主義という。もちろん現実の社会主義は「指導層以外の全てに清貧主義を強いる」体制だったわけだが。

そうでない人は自らの懐疑主義を強化するために読んだ方が良いと思う。
やっぱり「ブラック・スワン」(ダイヤモンド社)とセットがいいかな。

ちなみにこの本の唯一のグラフィックとして三菱UFJがモルガン・スタンレーに援助した資金「90億ドルの小切手」を拝むことが出来ます。日米とも銀行休業日で送金できず、でも休日明けに送金がずれ込むとモルガン・スタンレーが潰れる可能性があったという理由から生まれた冗談みたいな存在だが、それだけ想像を超えた事態が起きたんだという証拠とも言えるかな。

2010/01/18

そういわれれば日本最強の若旦那

首相、本28冊まとめ買い 「資本主義勉強します」(47 NEWS)

鳩山首相が購入した本(47 NEWS)

(悟桐書院)

既に旧聞ですが。
全般的に政治と経済に関係する書籍の仲で異彩を放つのが「談志 最後の落語論」。

鳩山首相はお笑いが好き、ということは水道橋博士が言っていたが、談志のファンなのか、名前に惹かれて買ったのか。
しかし、かつて中島らもがてっちゃんのオヤジの口を借りて「書いているものの意味が分からん」と評された松岡正剛がお供に付いていたのに談志の本を買うとは中々。この人が褒めていた安藤鶴夫は談志の仇敵なんだけどな。

それはともかくこの「談志 最後の落語論」はこれまでの落語論の集大成にプラスして「滅びつつある江戸の風」論を展開していてお買い得な1冊。
なるほど、と思ったのは「円朝ってのは今で言う『韓ドラ』みたいな扱いだったんじゃないのか?」という一言。「『わっ』て驚かせるなんて安っぽいドラマじゃねえか」ということで、そういうドラマが良い悪いというよりも「それって落語じゃないだろう」ということなんでしょうな。でも「『死神』はいい」。うん、これもよく分かる。他の円朝作品と「死」の扱いが違って「ほら、消えるぞ消えるぞ」(Wikipedia)だもんなあ。
ちなみに小三治も「笑芸人」で「『死神』は滑稽話にしてこそ、だよ」と言っていた。方向性は違えども名人の心意気ってのはこうして同じ結論に収斂していくのかも知れない。もっとも、小三治について談志は何も言っていませんが。

2010/01/01

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
今年はいよいよW杯年。行けるかなあ。行くには仕事辞めなきゃならないのかなあ。いい年してW杯退職かあ。南アフリカの思い出を胸に餓死するのかなあ、、、って新年早々しみったれた話で申し訳ない。

【第89回天皇杯決勝】本日の試合結果(J's GOAL)

天皇杯の決勝は、ただでさえちょっと実力で下回る名古屋が清水との総力戦を通過してしまったのに対し、G大阪は仙台戦がちょうど良いリハビリになってしまったうえにベストメンバーだったからなあ。実力以上の点差が付いた感じですな。
去りゆく松代が大活躍の遠藤に関して「いつもあれくらいやってくれたら楽なのに」とコメントしていたけど、あ、やっぱり。そう思ってたのは観客だけじゃなかったんだ。

2009/12/30

アニマルスピリット

(東洋経済)

まあ、今更ですが。
訳者が「経済学に詳しくない人が読むと『何を当たり前のことを言っているんだ』と感じると思う」と総括しているが、確かにそんな感じ。
経済学は「こうなったからこうなったんです」という現状分析には有効で、先を見通す場合でも「こうなったらこうなるでしょう」と予測は出来る。ただ、ある程度不確定要素は割り切らないと数式が作れない。学問である以上、単純化は避けられないわけで、結局のところ予測はする人によって良くも悪くもなってしまう余地はある。逆に言うとだから学問だと言えるんだけど。
しかし「こうなったらこうなる」だけで理解しようとするんじゃなく、人間の本性「アニマルスピリット」という要素を加えれば現実と乖離しない処方箋が作れる、というのが著者の主張。一々納得させる論理は矛盾無く見事なもので、報告書を作る時は見習いたい。
今年を締めくくる読書にはちょうど良かったかな。「ブラックスワン」とのカップリングで。いや、こっちはまだ読みかけなんだけど。

結局のところ、人は先を見通せない。高度な金融工学でも、ブラックスワンが舞い降りることは見通せなかった。舞い降りる前に認知できるだろうと勘違いすることになっただけ。
「無知の知」を認識して「あ、こういう事もあるでしょうな」ということで起こったことに対処していくしか無いんでしょうな、人生は。

2009/12/28

ハードボイルドではないね

デイン家の呪い(新訳版)(ハヤカワ・オンライン)

ポケミス版は読んでいるが内容は全然覚えていなかった。
元々が5つの独立した短編を1つの長編にまとめ直したものなので、次から次へと新しい人物が登場して、次々と異なる事件を起こしたりと筋書きは結構煩雑。受動的な主人公の行動は狂言回し的で、強烈な主人公が物語と読者を引っ張っていく「マルタの鷹」や「血の収穫」に比べると印象が薄く、だから覚えていなかったのかなあ。

ハメット研究家でもある訳者の小鷹信光氏があとがきで「ゴシック調」と言っているが、超自然的運命と思わせて合理的理由で結末を迎える内容は確かにゴシック小説。ゴシック小説って元々は超自然現象を肯定しない内容だったから。
「モルグ街の殺人」由来のミステリー的に由緒正しき「フランス」がキーワードになってるし。

ダシール・ハメットはハードボイルドというミステリーのサブジャンルをいち早く完成させたことで歴史に名を残したけど、この小説を読むとローテーション的に書く小説は必ずしも「男のハーレクインロマンス=ハードボイルド」だけじゃなかった事がよく分かる。
ハメットの後半生は映画化権の売却で収入が安定したり、晩年は赤狩りにもあったりして「書けなくなった」ことで有名だけど、新作は常に興隆を迎えていたハードボイルド小説を期待されていたろうから、自分の模倣に陥ってしまうことを嫌がっていたのかも知れないなあ。
オリジネイターとして消えていったと考えればある意味天才。こつこつと自分を磨き上げていったチャンドラーとはそこが違うのか。

2009/09/05

原作より映画が先

アラン・ムーア『フロム・ヘル』日本語版オフィシャルサイト(みすず書房)

みすず書房から出版てのは結構意外。
挙げられている4冊の参考文献のうち、3冊が品切れ、ってのも如何なものかと。

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