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2016/04/21

The Weirdness


Wikipedia

イギー・ポップ、亡くなったスコット・アシュトンとの思い出を語る(RO69)

イギーが25年ぶりにアシュトン兄弟と連絡を取ろうとして昔の電話番号を回したら繋がった、という伝説があるが、このインタビューを読むとスコット・アシュトンとはストゥージズ解散後もたまに連絡を取り合っていたらしい。
だから伝説が本当だとしたら、ロン・アシュトンの話か。

ストゥージズ再結成への道のりはバンドのカラーに似合わず慎重だったようで、時系列的に書くとこういうことになるらしい。

という訳で、ロンが他のバンドに参加していたという事情を勘案する必要はあるにしろ、コーチュラ・フェス成功! さあ、再結成だ!なんてエモーションな決断ではなかったことが伺える。

さらに前述のインタビューに依れば、再結成ストゥージズのピークは2005〜2006年
だからこの作品は一番いい時の再結成ストゥージスによる作品で、且つアシュトン兄弟ロン・アシュトンの遺作でもあるのだが、Wikiで見る限り評判がすこぶる悪い。

5/8訂正:スコット・アシュトンの遺作はもちろん"Ready to Die"

内容的には、イギーの言う「ロック界のシーラカンス」だからこそ作れた作品
過去の名曲に混じってライブで演奏しても違和感がないという曲が揃ったというだけでも、ある意味成功ではなかろうか。

スティーヴ・アルビニのプロデュースもその辺りを心得た仕上がり。彼はレコードスリーヴに自分の名前がクレジットされることを嫌っているそうで、だから今回のクレジットは「3 Blind Mice For MINDROOM」

ストゥージズ幻想で頭をパンパンにしたまま聴くと肩透かし感があるのかも知れないが、Skull Ringを聴いてストゥージズメンバーの現在地を確認後にこれを聴くと特に違和感はない。
優れたフォロワーの何かに似ていないからこれはダメ、というならそれこそお門違い。

Fun House風味の楽曲の数々を、それなりの勢いをもって演奏してくれる内容は中々楽しい。イギーもソロよりもリラックスして歌っている感じがするし、ホームに戻るってのはこういうことだろう。

元々Fun Houseは、非常にバラエティに富んだ音楽要素を、低予算故にシンプルなスタッフでどこまで実現できるのかという試みに挑んでいたような内容で、それ故に緊張感が半端なく、メンバーがヤク中になって空中分解してもそれは仕方ないんじゃないかとしちゃいけない納得をしてしまう作品である。
しかしこの後に、それを更に突き詰めていったRaw Powerという作品が控えていたりするんだから、因果なバンドだ。それはともかく。

で、みんながまた集まったら、そこまでの緊張感いらずでそれなりのFun Houseが実現したというのは、化学の実験で考えれば当たり前。むしろメンバー全員の音楽センスがFun Houseレベルのままに保たれていて、枯れていなかったという事だろう。昔のままに立ち現れたという点は正にシーラカンスだが、ライブに足を運んだファンはシーラカンスを求めていた訳で、マーケティング的にも正しい判断なのだ。

実際、本作は売れなかったがストゥージズのライブの入りに影響はなく、継続的に良かったという。
つまり、本作は「新作は、ライブの進行を邪魔しないものを作ればいい」という大物ミュージシャンにのみ許される贅沢をストゥージズが獲得していた、という事を証明した作品と言える。

ところで、再結成後のイギーのソロ作品からはストゥージズ風味がきれいさっぱり消えている。「1人ストゥージズ」を演じる必要性を感じなくなったからだろう。
そういう意味では、ストゥージズを再結成して初めてイギーはバンドの重すぎる伝説から解放された、と言えるかも知れない。もちろん他のメンバーも。再結成したから「純粋なソロアルバム」を作れるようになった、というのも逆説的だが。

ちなみに、ジェームズ・ウイリアムソンのRe-Licked製作時のインタビューから引用すると、ツアーバンドとしては成功を収めた再結成ストゥージズだったが、そのツアーは結構過酷だったらしい。

イギーはもちろんアメリカでも有名人だが、ヨーロッパでの人気が半端ない。それ故、ツアーはヨーロッパ重視のブッキングになってしまい、どうしてもアメリカを長く離れることになる。これが辛いのだという。
毎年のワールドツアーは今やフィットネス狂のイギーや元アメリカン・パワーエリートのウイリアムソンは耐えられたが、アシュトン兄弟の身体には響いたのかもなあ。

(ジェイムズ・ウイリアムソンのキャリアは、見ようによってはイギー以上に面白いので、どっかでまとめて書いてみたい)

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