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2016/04/21

The Weirdness


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イギー・ポップ、亡くなったスコット・アシュトンとの思い出を語る(RO69)

イギーが25年ぶりにアシュトン兄弟と連絡を取ろうとして昔の電話番号を回したら繋がった、という伝説があるが、このインタビューを読むとスコット・アシュトンとはストゥージズ解散後もたまに連絡を取り合っていたらしい。
だから伝説が本当だとしたら、ロン・アシュトンの話か。

ストゥージズ再結成への道のりはバンドのカラーに似合わず慎重だったようで、時系列的に書くとこういうことになるらしい。

という訳で、ロンが他のバンドに参加していたという事情を勘案する必要はあるにしろ、コーチュラ・フェス成功! さあ、再結成だ!なんてエモーションな決断ではなかったことが伺える。

さらに前述のインタビューに依れば、再結成ストゥージズのピークは2005〜2006年
だからこの作品は一番いい時の再結成ストゥージスによる作品で、且つアシュトン兄弟ロン・アシュトンの遺作でもあるのだが、Wikiで見る限り評判がすこぶる悪い。

5/8訂正:スコット・アシュトンの遺作はもちろん"Ready to Die"

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2016/04/16

Après


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この作品に関わるイギーとヴァージンEMIとの確執はぐぐればいっぱい出てくるのでそちらを参照していただきたい。
ストゥージズはイギーにとって懐メロバンドではなく現役バンドだったから、被る作品は作りたくなかったんだろう。

シャンソンは全く知らない自分だが、一時期はこれとPréliminairesばかり聴いていて嫁を気味悪がらせた。
陰のPréliminairesと陽の本作というコントラストがちょうど良く、そのうえフランス語とイギーのヴォーカルのハマり具合が素晴らしい。元曲をよく知らないからかも知れないが。
要するにやっぱり歌が上手いのだな、イギーは。

前作Préliminairesがフランスでロングセラーを記録したこともあってか、フランスをピンポイントで狙ってきたカヴァー集。ビートルズのカヴァーがMichelleなのもフランス狙いか。

このアルバム。フランスチャート初登場&最高位 3位という情報があり、実際に以下のページを見るとそう書いてある。
http://www.chartsinfrance.net/Iggy-Pop/charts.html

ところが、作品の詳細ページに移ると初登場&最高位 5位
http://www.chartsinfrance.net/Iggy-Pop/Apres-a114252592.html

別のチャート情報でも初登場&最高位 5位
http://www.lescharts.com/showitem.asp?interpret=Iggy+Pop&titel=Apr%E8s&cat=a

誤植が一人歩きしてしまったのか、発表元が違うのか。いずれにせよ大ヒットには違いない。一度104位に落ちた後、42位に再浮上したりしているし。

さて、聴きっぱなしで詳細は放り出していた本作のオリジナルを、いい機会なのでざっくり調べてみた。

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2016/04/15

Préliminaires


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本作に関して、自分の駄文と違う真面目な講評をお読みになりたい方はこちらがよろしいかと。

犬と愛とイギー・ポップ (Préliminaires – イギー・ポップ)(Music for Cloudbusters)

このブログに目を通していただければ、自分が書くことは特にない。以降は私見

もともとThe Idiotなんて文学青年側面の出たデビューアルバムで名を売った人なので、こういう作品が登場しても特に意外ではない。はっきり言って違和感なし。傑作の部類に入ると思う。

チャートアクション的にはBrick by Brick以来久々にBillboard 200に食い込んでいたりするので、次作のAprèsが売れそうもないから出すなとヴァージンが言い出した根拠が分からない。
売却話が出るだけはある。。。あれはヴァージン航空か。
イギリス人はフランス嫌いだから売れなかったのかな。ガーディアン紙が褒めてたらしいのにな。

そう言えばAprèsが大ヒットして、イギーのフランスにおける人気を証明したらしいので、その前段にあたるこのアルバムはどんなものかとフランスのチャートらしきページに2つばかりアクセスしてみたら、最高位19位でベスト200に13週間留まるという、なかなかの健闘を見せていた。

http://www.chartsinfrance.net/Iggy-Pop/Preliminaires-a105961583.html
http://www.lescharts.com/showitem.asp?interpret=Iggy+Pop&titel=Pr%E9liminaires&cat=a

それまではAvenue B・最高位22位、Beat Em Up・最高位23位、Skull Ring・最高位34位と徐々に順位を落としていたところを、これで取り戻した。Aprèsも突然のヒットではなかったのだな。

4/15・追記
プロデューサーのハル・クラジンは元They might be Giants。お子様向けアルバムを作るなどのオフビートな活躍で有名なバンドだけに、元メンバーがロン・アシュトンへの鎮魂歌的な雰囲気も纏った重いアルバムをプロデュースするのは違和感があるが、腕は確か。
しかし、最近出したソロアルバムは若きマシュー・ブロデリックのバックにでも流れていそうな80's健全ロックでまとめられていて、元所属と同じオフビートなギャグとしか思えない。同姓同名の別人か?

4/16追記
もちろん本人、イギーとはAmerican Caesarから仕事をしているらしい
http://halcragin.com/about-hal/
https://www.discogs.com/ja/artist/493965-Hal-Cragin

2016/04/11

Skull Ring


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イギーがアシュトン兄弟とのコラボを30年ぶりに復活させたら、笑えるくらいにハマってしまうことが判明した作品
17曲中4曲があからさまにストゥージズ
全くの新曲の分際で、聴くとDown on the Streetが一緒に頭の中で流れ出す。

アシュトン兄弟はほぼ昔の名前で生きている人達だったが、確かにこれならみんな呼びたくなる。これで俺もストゥージズ、と誰もが思ったことだろう。実際はそうならないケースが多数だったが。
やはりストゥージズのフロントマンはイギーしかいないのであって、ストゥージズのバックはアシュトン兄弟かジェイムズ・ウイリアムソンしかいないのであって、この4曲がその証明

イギーは結構軽い気持ちでアシュトン兄弟に声をかけたと言っているが、あまりのマッチングぶりに本人達が一番驚いたらしく、このアルバムの製作後にイギーはトロールズを即時終了させ、新しいベーシストを迎えてストゥージズを再結成する。トロールズの面々には気の毒だが、このハマりぶりを聞けば仕方がないと思う。

6/4訂正
スコット・アシュトンとスティーヴ・マッケイのインタビューに依れば、2001年くらいからイギーとロン・アシュトンとの間で再結成に向けての話が進んでいたらしい。以下の投稿でその辺を整理。本作は「スタジオで共演した場合はどうかな?」というテストだったと思われる。
ストゥージズが再結成に至るまでの短い話

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2016/04/10

Beat Em Up


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Naughty Little Doggieに続くイギーのメタルプロジェクト第二弾
バックバンド・トロールズが基本的に全ての演奏を担当している。

1枚全てが同じメタルのトーンでまとまったアルバムは、今のところこれで最後
特筆点としてはNaughty Little Doggieから付き合いのあるギタリスト、ホワイティ・カーストが右腕として全曲を共作しているという点。スティーヴ・ジョーンズ以来の右腕復活。ネームヴァリューは大分低くなったが。
イギーとしてはトロールズを前面に出したかったっぽいが、マーケティング観点からイギーのソロアルバムとなったらしい。

内容的には、共作のお陰でイギー自身がある程度コンポーザーとしての仕事を軽減できたからか、プロデュースワークに集中できたようでNaughty Little Doggieと比較してサウンド面の奥行きが深まっているし、曲調もよく練られた跡が見られる。また、イギーが「トロールズのメンバー」として振る舞うことから演者と「プロデューサーとしてのイギー」に上手い距離感が生まれたことも、バンドサウンドとしてのまとまりに貢献していると思われる。

Wikiでは長年イギーのマネージャーを務めた故・アート・コリンズの「新たなRaw Powerとは言えないが、イギーの別側面が出たアルバムだ。Raw Powerはイギーの真実だが、こちらもまた真実だ」というような発言を紹介している。褒めていると言っていいのかな。

辛い思い出を持つニューヨークから、あんまり知能指数が高い感じがしない地・フロリダはマイアミ(終の棲家と決めた模様)に引越し、赤いキャデラックコンヴァーチブルに乗って、ナンパしたセクシーなアフロアメリカン、ニナ・アリューとつきあい始め、イギーの私生活はロックスター的な充実を見せていたようだが、セールス的にはやはり不振で、しかも、ツアー準備中にベースのロイド・ロバーツがロサンゼルスでクルマから銃撃されて死んでしまうという洒落にならない事件も勃発

評価もあまり高くなく、作品を取り巻く環境は私生活ほど充実してくれなかった。

Naughty Little Doggieと本作の間に、メランコリックな私小説Avenue Bが挟まっているので話がややこしくなるが、あれは私生活の影響を受けたイレギュラーで、American Caesar以降のイギーが本来目指していたところはこちらだったんだろう。

Naughty Little Doggie、本作、次作Skull Ringと並べれば一貫性は一目瞭然だし、最終的にこのプロジェクトがストゥージズ再結成に雪崩れ込んでいったわけだから、セールス的には相変わらず振るわなかったとはいえ、無駄な動きではなかった。
私生活では色々あったが、この時期のイギーは「メタルアルバムを作る」という意志の下に、自らがプロデュースし、狙いどおりにメタルサウンドを実現しているわけだから、決して迷走していたわけではないんだと思う。

参考URL
http://www.iggypop.org/iggypopinterviews2001.html
http://www.iggypop.org/iggytour2002.html

2016/04/09

Avenue B


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Avenue Bとはニューヨークの通りの名前。イギーが昔住んでいたらしい。検索するとWikipediaに通りの説明が掲載されている。もちろんAvenue AもAvenue Cもある。

日本でも世界でも「あのイギーがメロウに振ってる」ということでほんの少し話題になった作品。イギー自身の評価では「ヘヴィメタルじゃないが、ハードロックだ」ということになる。“ハードなロックンロール”ということらしい。

音作りはドン・ウォズのプロデュースワークなので、イギーらしいクセに欠けるといえば欠ける。普通のクラシカルなロック。
バックはハードロック・パンク勢は影を潜めてジャズな面々が集結。ドン・ウォズの人脈かと思ったが、そういうわけでもないらしい。メデスキ、マーティン・アンド・ウッドはブルーノートに所属していた時期で、この頃には国内盤も出ていた模様。ウォズは今、ブルーノートの社長だが声はかけないのかな。
ただ、ギター音はロック風味が欲しかったようで、Naughty Little Doggieにも参加していたホワイティ・カーストが再登板

iggypop.orgに掲載されたNMEのレビューは「小説ならヘンリー・ジェイムズ、映画なら『ヴェニスに死す』」と絶賛に近く、ルー・リードのMagic and Lossとかと対比している。Allmusicではボロクソ。その他ではレビューのバックナンバーが残っていない。おそらく低評価な内容で頼みの綱のiggypop.orgではアーカイヴしなかったんだろう。

本来、この作品とNaughty Little Doggieは売れて然るべき時期に発売された。

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2016/04/04

Naughty Little Doggie


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イギーが自分より二回りは若いミュージシャンを集めて作った本作。ぱっと聴くと、一回り若い後輩を集めて作ったSoldierにちょっと似ている。ただ、Soldierよりも聴き応えのある曲が多いのが進化の証

クルマでフルフラットとかフラットアウトとか言えば「アクセル全開」
音楽でフラットといえば半音下げる。オーディオでフラットと言えばクセの無い自然な音
ということでフラットと言えば基本褒め言葉になる筈なんだが、「平板」という言葉で表現するととたんに褒め言葉ではなくなってしまうのが不思議

凝った音作りを極力廃したエモーション重視の本作は、イギーのヴォーカルはフルフラットだけれど、音作りがフラット、、、平板というと言い過ぎではあるものの、どの音も等位に扱われている感じで奥行きには欠ける。
Allmusicでは「イギーは時たま駄作を出すが、これがそれ」と酷い言われようだが、そこまで箸にも棒にもかからないような駄作ではない。少なくとも1曲目のI wanna Liveは中々いいつかみ曲

ただ、奥行きに欠ける音作りは3曲も聴くと飽きてくるので、通して聴くよりも、出かける前なんかに1〜2曲を景気付けで聴くのにいいと思う。

2016/04/03

American Caesar


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異論はあろうが、個人的にはイギー・ポップの最高傑作。
とにかく聴いてみてください、と心から思う。

イギーの進化したソングライティング能力とマルコム・バーンのエンジニアリング能力が化学反応を起こして多彩な魅力を備えることになった作品
Brick by Brickとこの作品はイギーにとって「右腕」の存在が必須では無くなったということを示していて、そういう意味でもこの2作は彼のキャリアの中でのマイルストーン

イギーの爬虫類的な魅力もふんだんに味わえてしまうので、アメリカではWild Americaがちょっとヒットしただけで終わってしまったが、おそらく、アメリカのハードロックファンは本気のダーク&ウェットなハードロックを聴かされると引いてしまうんだろう。
イギリスでのチャートアクションはBrick by Brickよりも良いうえに、Wild AmericaとBeside Youがシングルチャートにランクインしたりして、イギリス人ってこういうイギーが好きなんだな、と改めて分かる結果に。

4/16追記・ローリングストーンでも高評価だった。何で買わなかった、アメリカ人
http://www.rollingstone.com/music/albumreviews/american-caesar-19970717

ダニエル・ラノワの下でエンジニアを務めていたプロデューサーのマルコム・バーンは、ディランの復活作Oh Mercyやネヴィル・ブラザーズの傑作Yellow Moonに参加していた経歴から考えて、もっと出世しそうなもんだけどなあ、とこのアルバムを聴くといつも思う。

Wild Americaで共演しているヘンリー・ロリンズとはハードロック志向の文系インテリとして気が合うのか、未だ付き合いがある模様

イギー・ポップとヘンリー・ロリンズ、天使と牧師役で共演(Barks)
イギー・ポップとヘンリー・ロリンズがキッズ・アニメで泥棒兄弟の声を担当、プレビュー映像が2本公開(amass)

ライブではたまにカヴァーしていたオールディーズLouie Louieを初収録。このヴァージョンを聴いて、期待して他のライブのヴァージョンを聴くとがっかりすることがあるので注意。ストゥージズのFun Houseのプロデューサーは、この曲のオリジナルを歌うキングスメンもプロデュースしているので、ある意味正統派のれん分け。
おっさんロックファンの定番ギャグとしては「太川陽介のLui-Luiじゃないよ(あれはオリジナル)」

かつての右腕スティーヴ・ジョーンズがBeside Youを提供しているが、Blah Blah BlahのCry for Loveにちょっと似ているのがご愛敬。彼はソロアルバムでも似たようなバラードを歌っていたりするので、こういう曲調が好きなのかな。マルコム・マクラーレンの誘いに乗ってピストルズに参加したのは一生の不覚だったかも知れない。

2016/04/02

Brick by Brick


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90年を迎えると同時にイギーが手に入れた新しい軸
これがあるから今のイギーがある。

この作品に関しては、どこを見ても高評価だし、イギー自身も気に入っているようだし、セールス的にもそこそこ。
何よりもストゥージズ派生を求めるアメリカのファンと、The Idiot派生を求めるイギリスのファンの間で評判をとるという、イギーのキャリア独特のめんどくさい仕事に、プロデューサーの力は借りたものの、ボウイ抜きで初成功したのが慶賀の至り。

個人的には、カラッとしすぎてイギーの爬虫類的な魅力が影を潜めているのが不満なくらい。

また、私見では本作はビル・ラズウェルがInstinctで実現すべきだったと作品と考えている。

何でこんなことを書くかというと、この駄文を書く際に改めてプロデューサーの経歴とかもググったりしてるわけで、その際にラズウェルと本作のプロデューサー、ドン・ウォズの経歴がやたら似通っていることが分かったから。
何よりも、2人とも若き日にデトロイトでストゥージズのライブを見ていたというのが、イギーに関わる最も重要な共通点。
ラズウェルは当時デトロイト周辺で音楽活動を開始していて、ウォズはデトロイトの出身だから、という奇跡の巡り合わせ。

2人ともその頃からのストゥージズファンらしいが、ラズウェルはイギーをジャンル音楽に閉じ込めて、ウォズはジャンル音楽から解放した。
この2人の比較論を書く人がもしいるとしたら、この2枚のアルバムがもってこいの素材になるかもしれない。

2016/04/01

Instinct


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何故か日本のiTunes Storeではこのアルバムだけ販売していない。

イギー曰く「Blah Blah Blahの後にあんな過激なアルバムを作っちまったんで、腰を抜かしたA&Mにクビにされたのさ」

実際にはイギーが言うほど過激でもない。
本作のプロデューサー、ビル・ラズウェルは当時Last Exitなんてノイズサウンドの演奏を主眼としたユニットを組んでいたりしたから、久々にハードコアなイギーの登場かと覚悟を決めていたら、実際に出てきた作品は

ブルース・フェアバーン(Wikipedia)の新譜ですか?」

この程度のハードロックでびびるほどA&Mもウブじゃないだろう。

ビル・ラズウェルの「フェアバーンはこれしか出来ないだろうが、自分にとっては沢山の引出しの1つさ」てな感じのドヤ顔が見えるようだし、実際、80年代メタルとしてよく出来た仕上がりなんだけど、正直な感想としては「他の引出しでもよかったんだよ」
イギー、スティーヴ・ジョーンズ、ビル・ラズウェルという面子で、わざわざエアロスミスの真似することはない。

PILでも似たような音作りになっていたことから考えると、ビジネスという線引きの中で顧客がラズウェルにハードロックを求めた場合はこうなるということだろう。Last Exitはラズウェル自身の私的実験だしね。

アメリカではメタル界でそこそこ受けたが、イギリスではほぼ無視。そして、どちらの国でもBlah Blah Blahの売上げを下回った。
A&Mがイギーとの契約を見合わせたのは、単にビジネス上の理由からか。

Brick by Brickが出て以降はこのアルバムからの曲はあまり演奏されていないが、イギー自身、発言ほど気に入っていないからかな。

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