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2016/03/27

New Values


Wikipedia

Kill Cityを「Raw Powerの続編」と書いたが、このアルバムはそのまた続編
The Idiot、Lust for Lifeと比較すると、音圧の低さが尋常でないが、80年代という時代の業として見逃してあげて欲しいところで、ある意味「ファンならわかるアルバム」

内容は悪くない。
Raw Powerからの流れで聞いてみると、むしろこっちの方が正常進化形で、The IdiotとLust for Lifeは突然変異だったことがよく分かる。ジャケットデザインもおそらくRaw Powerを意識した仕上がり。
当時のNMEでも今のAllmusicでも評価は高く、収録曲「I'm Bored」なんて、今でもたまにライブで演奏しているのを見かける。

クレジットを見る限りでは、製作者はイギー、ジェームズ・ウイリアムソン、スコット・サーストンの3人だけという少数精鋭。まさに"精鋭"と呼ぶのにふさわしいメンバー
アルバムのライナーノーツとAllmusicでは、ソングライティングをほとんどイギー単独で行っていることになっているが、Wikiでは後半の曲のほとんどがサーストンとの共作。
おそらくWikiが正しいと思う。
イギーの音楽キャリア前半では、サウンド面に関してはほぼ他者(アシュトン兄弟、ウイリアムソン、デヴィッド・ボウイ)の影響下にあることを考えると、ここで突然ソングライティング力が向上したというよりもLust for Lifeで作曲に関わり、ジャクソン・ブラウンやボニー・レイットの右腕として高い評価を得ることになるサーストンがコンポーザーとして手伝ったという方が自然だ。ちなみにサーストンはRaw Powerでピアノを担当している。(2016/9/4訂正・していない。弾いているのはデヴィッド・ボウイ)

ただし、前述したように、音圧の低さと80年代を感じさせるしょっぱさ、そして哀しいことに「ロックファンが求めるのはこっちじゃない、突然変異の方」というイギーのキャリア独特の齟齬が、この作品を歴史に埋もれさせてしまった嫌いはある。暫時進化のこちらじゃなくて、時代を飛び越えた突然変異がソロキャリア最初期に登場してしまった故の不幸
デヴィッド・ボウイってのは大したプロデューサーだったんだなあと、当たり前のことを痛感するが、天下のボウイにうだうだ言えるレーベル関係者はそういない、という点も歴史に残った先行2作に差を付けられた要因か。
今となっては、Kill Cityと同じように、ウイリアムソンがリミックスしてくれないかな、ということがささやかな望みではある。リマスター盤は出てるけど、リミックス盤ではないんだなあ。

4/27追記
KQEDのインタビューに依れば、ウイリアムソンはこの時期すでに音楽業界から足を洗うつもりで、コンピュータ・エンジニアになるべく大学に通っていたが、金が必要だったのでプロデュースを引き受けたのだそうな。

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