« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »

2010/12/27

リトル・シスター

(ハヤカワ・オンライン)

今回の決め台詞「誰かの夢が失われたようだね」
村上春樹のチャンドラー翻訳第三弾。
個人的には彼の著作じゃなく翻訳物ばかり読んでるなあ、最近は。

清水俊二訳「かわいい女」を読んでいるが内容は全く覚えていない。
巻末の解説では訳者が「誰が誰を殺したかとか、人間関係の説明があやふや」と指摘しているが、込み入っている割に説明不足のストーリーを理解しきれなくて覚えていないのかも知れない。
巻末の解説では他に「この小説はチャンドラー自身が嫌っていたせいか世間的な評価は低い(でも訳者は気に入っている)」「チャンドラーは売れっ子脚本家だった」「翻訳時に登場人物の兄弟関係を改めた」「登場するギャングの1人はバグジー・シーゲルがモデル」等々の情報が載っていて面白い。
チャンドラーがハリウッドで脚本家をしていたのは知っていたけど、売れっ子だったのは知らなかった。あれだけ決め台詞を量産した人だと思えば当たり前か。

解説ではやや混乱したこの小説があったから「長いお別れも」存在するのだ、と結論づけているが、自分なりにこの説明を解釈すると、早い話チャンドラー自身が「このままじゃいけないな」と反省して、人物関係とストーリーを整理した上で華麗な描写で物語る緻密な傑作「長いお別れ(ロング・グッドバイ)」を執筆した、という事なんだろうか。
その後、奥さんを亡くしてしまったこともあって半引退した後に、大分薄くて毛色も違って物語もなんだかあやふやな作品「プレイバック」1作だけを上梓してチャンドラーは永眠してしまうわけだが、奥さんの死だけでなく「長いお別れ」のストーリー整理も重荷だったことも半引退の原因だとしたら、やっぱり整理して書くのは苦手なんですかね。

ところで今回の新訳もタイトルを変更しているが、訳者に依れば「旧題の『かわいい女』だと、原題が差している登場人物とは思えなくなるので、敢えて原題に戻した」という。
個人的には旧題の方がハードボイルドっぽくていい気がするが。
やっぱりハードボイルドは娯楽小説でもあるから、そういうちょっといい加減な感覚的なところも残しておいていいんじゃないかなあ。そういういい加減さがあったから、チャンドラーの「謎解き」があやふやでも見逃されてきたんだろうし。

2010/12/14

大木武を他に獲られちゃったからかな

甲府の新監督に三浦氏 組織的守備の指導に定評(スポナビ)

「甲府」というチームから抱く印象から最も遠い人が監督に就任。
自分的にはこの人が率いた大宮と大木武時代の甲府を比較してこの人にダメ出ししたことがあるので、なんだか複雑。

この人が采配をふるうチームはいつも昇格争いか降格争いをしているような印象があるが、実際、4年連続で降格争いか昇格争いをしている。神戸では降格争いに始まって、降格争いに終わってるもんなあ。
そんなわけで、J1ではつまらなさと低い順位をバランスよくミックスさせたチームを作るという実績しか挙げていないが、甲府はこの人に何を求めるんだろうか。
大した実績を持たない分、年俸に値頃感があったんだろうか。

札幌は柳下監督の作った「プチ磐田」チームの「守備を強化」するつもりでこの人を雇ったら、磐田の面影などどこにもないチームになってしまった。大宮と神戸では質の高い選手を擁しながら単なるカウンターチームにしてしまい、しかも大した成績は挙げていない。
キャリアはそれなりにありながら、選手能力の1+1を3にして、選手の質以上にチームをスケールアップするような手腕を発揮したところを見せたことのない監督だから、これからブレイクする可能性は低いように思える。だから個力が弱い甲府みたいなチームで雇っても、札幌みたいに沈没するだけのような気がするが。

2010/12/13

40年遅れの一発屋

「人間」ヒトラーと向き合うドイツ(NewsWeek)

Philippe Mora(Wikipedia)

ビデオ・バブル時代に「クズ映画の監督」として名を馳せたフィリップ・モラが意外なジャンルから意外な形で復活。また名前を聞くとは思わなかった。しかも、こんな真面目な記事で。彼の名前を聞いたのは10年ぶりくらいかも知れない。

90年代に入っても映画仕事はしていたから業界的には手に負えないほど下手な監督というわけでもなかったらしいが、それが災いしたのかどの作品もNewsWeekが言うほど「カルト」ではない。クズではあったが映画史的に「汚点」となるほど強烈なものはない。要するに単なる「出来の悪い映画」なので、本来ならばその他大勢の職人監督と共にアナログフィルムと同じくらいの速度で消えていくはずだった。が、大逆転。

彼に関して誰もが首を傾げたのは「クズ映画ばかり作るのにスタッフや俳優はいつも一流どころ」という点で、逆に言うとウリはそれだけだったが、キャリア前史でどんな俳優よりも名を馳せた人物を扱った経験が、、、関係ないか。それよりも、1973年の段階でカンヌ映画祭に参加していたから、その辺りから人脈を作り始めていたってことなんでしょうな。

この映画が引き起こした騒動を読むと、彼のフィルモグラフィーやバイオグラフィーに食指が以前よりは動くが、「ハウリング」シリーズのことを考えるとその調査にあんまり労力を費やす気は起きない。
試しにWikipedia英語版で彼の名前を検索してみたら見つかったが、おそらく彼の名前を、その他の作品を知る者としては不本意ながら映画史に刻んでしまうであろうこの映画のことは載っていない。しかも、映画監督のテンプレにも従っていないので大変に読み辛い。そのうえアマチュア時代のフィルモグラフィーや家族のことばかり詳しいという妙なバランスで成立している。ひょっとしたら本人が書いたんじゃないか?

2010/12/09

春風亭昇太独演会(古典とわたし)

明日明後日とあるらしいが、これは3日通しで見ても良かったかも知れない。もっともチケットが手に入らないか。

当人の挨拶中に入場。前から4番目。高座からこんなに近い席とは思わなかった。居眠りしたら突っ込まれるなあ。

開口一番は弟子の柳太郎で「大安売り」(Wikipedia)。しこ名を変える一説前をオチにしたアレンジ。時間に合わせて縮めたのかな。この人は顔を向ける方向が基本的に決まっているらしく、何かず〜っとこっちを見られているような気がした。いや、いいんですが。ルックスに癖があるのでもっと面白い人になりそうな気がする。

続いて昇太が登場し「古典とわたし」というシリーズ名になった経緯を簡単に説明(早く決めてくれと急かされたから)、そして「だから古典しか話さない、というわけではなく、、、今日は新作も話すって事なんですけどね」。ビバリー昼ズを聞いている身からすると、この「、、、」の間のところに高田文夫の突っ込みが欲しいところ。

とはいうもののマクラに続いて始まったのは古典の「二番煎じ」(Wikipedia)。最後の挨拶で「ネタ下ろしです」と言っていた。そうだったんだ。しかし、昇太のものの食い方ってどれも同じなんだけど旨そうに見えるんだよなあ。猪鍋って実際に食べると大して旨くもないんだけど。というわけでこの噺は大変に合っているなあ、腹減ったなあ、と思いつつ堪能。
続いて高座でSWAのユニフォーム羽織に着替える演出が入って新作(本人曰く「僕の中ではもう古典」)「宴会の花道」。確かに古典だ。
自分的にはいつも「これって、『演歌の花道』からタイトルを先に思いついたんじゃないかなあ」と思っている噺だが本人に聞いてみないと分からない。
どうでもいいエピソード的には、ある広告会社が墓石のCMに「演歌の墓道」というコピーを付けたらテレ東から猛抗議を受けたとか。もうすぐ世話になりそうな人向けの番組だっただけに洒落にならなかったんでしょうなあ、と、ついこの間祖母を亡くした自分としては思う。

もはやお馴染みなれど、流すことなく大汗をかいて笑わせてくれた新作(やっぱり旨そうにものを食う)の後は中入り。で、続いて古典で「富久」(Wikipedia)。あ、やるの? こういう噺? と思ったら噺を終えた後で、
「わたしは人情噺は嫌いだし、人情噺もわたしのことが嫌いでしょうが、この噺は好きなんですよ。人情もの、、、ではないですよね、なんか、ダメな奴がダメなままぐだぐだして最後ハッピーエンドっていうところが」
そう言われればそうだよなあ。久蔵も何か反省して禁酒するわけでもないし。こういう噺を選ぶ感覚はいいよなあ。
ちなみに5、6年ぶりくらいに口演したそうで。

「来年はこんなに独演会を開くことはないと思います」と最後に言っていたが、そんなに開いていたっけ? 今年は円楽襲名披露にばっかり出ていたような気もするけど。だから今回の高座はかなり気合いが入っているなあ、と思ったんだけど。

2010/12/05

カタール代表、最初で最後のW杯出場権を獲得

カタールとロシアが「完勝」=日本は票固めに失敗-W杯サッカー(時事ドットコム)

意味問われる視察報告書=低評価のロシア、カタールが勝つ-W杯サッカー(時事ドットコム)

あまり勘ぐっても仕方ないが、裏交渉に強そうな2国が見事に開催権をゲット。BBCが色々暴いては見たものの、FIFAの理事ってのは疑惑をものともせずに投票してくれるくらい義理堅いってことか。
視察団というのは、投票する各理事に対してじゃなくて開催国に対するアドバイスを行う機関なんでしょうな。
まあ、途上国のインフラ整備に一役買うなら、、、という事にもならないのか、今回の開催国の面々は。

ロシアは開催地域がとんでもなく広大になりそうだから、行くとしたらカタールかなあ。

2010/12/04

不本意ながら味スタで東京ダービーが実現決定

FC東京が降格、神戸残留 G大阪、C大阪はACLへ(スポナビ)

神戸が浦和に勝つというサプライズを提供しながら、対戦相手としては有利なはずだったF東京は京都に負けるという一段上のサプライズを起こしてしまって降格。
こういうサプライズを引き起こしてしまうからには、降格してしまうのもやむを得ないか。
大阪や神奈川といった大都市圏のダービーはJ1がふさわしいはずなのに、一番でかい都市の東京ダービーがJ2で実現してしまうってのも、寂しい話だなあ。

2010/12/03

「選手は商品ではない」ことを体現するクラブ

横浜ベテラン一掃 松田、山瀬、坂田クビ(日刊スポーツ)

うち2人は去年神戸が欲しがっていた選手。人が欲しがっているものをあっさり捨て去るとは大変な贅沢。横浜Mにとって「選手は商品じゃない」って事なのかも知れないが、その言葉の意味しそうな温情主義とは全く結びつかないところが不思議だ。

横浜Mは一昨年辺りから本格的に経費削減・育成中心主義に乗り出したらしく、今の人件費は川崎より少ないようだ。監督も以前に比べると地味な顔ぶれが続いているので、親会社の財布がアテに出来なくなったというWikipediaの記述は正しいんだろう。

しかし、自分の乏しい記憶をフル回転させても、育成しつつ結果も残したクラブってのは鹿島、G大阪、父オシム時代の千葉しか知らない。しかし3クラブとも人員が短期間に大幅に変わったりはしていない。そして3クラブとも育成を重視している(千葉は過去形かな)が、「育成中心」とは標榜していない。鹿島とG大阪は間違いなく「結果中心」だろう。

だから「育成中心」と言ってしまったら、結果とは両立が難しい以上、ある程度我慢し続けるというつもりでいないと監督がすぐにクビになったりというネガティブ・スパイラルに陥る可能性が高い。更に買い手の付きそうな中堅は交渉次第ですぐに売る覚悟が必要。
しかし横浜Mのフロントは神戸から話があったのに、選手を出すほど腹は括っていなかったらしい。おそらく「放出して若手中心にして結果が悪かったらどうしよう」って思っちゃったんじゃないだろうか。「育成中心」なら覚悟しなけりゃいけないリスクだったのに。
それとも、そのころは「経費削減・育成中心」に取り組む姿勢が中途半端だったって事なのか?

付け加えると、騒動になり選手にもサポーターにもクラブにも悲しい状況を招いてしまったこの事態を見ると、早まった交渉解禁期間を上手く活かしていないなあ、という気もする。
山瀬や坂田という買い手の付きそうな選手を放出したいのなら、9月に移籍交渉が解禁になった段階でクラブが「話があったら売るからね」と内外に知らせておけば(広報までする必要はないが)済む話で、シーズンのどん詰まりで「いらない」と言い出すから騒動が大きくなる。
早めの売り出しでサポーターにシーズン途中から憤るネタを提供してしまうのは仕方ない。いくら育成中心でいい選手を山のように育てたって全員を保持する事なんて出来ないんだから、この「放出でサポーターが憤る」ってのも覚悟しなけりゃいけないリスク。選手のモチベーションが下がるかどうかは、冷たいようだが選手次第。
「育成中心クラブ」ってのはそういうものだと思うが。

しかし間違いなく減俸を呑む松田直樹をクビにするとはなあ。年俸以外に理由があるんでしょうな。どういう理由かは知らないけれど。

ところで松田直樹さん、草津に来ませんか? 年俸はおそらく10分の1にも満たなくなるだろうが、去年初めて新春花試合に参加したことですし、王様になれることは100%間違いないし、それに自分から言い出さない限り解雇もされないんじゃないかなあ。客が呼べる選手って貴重なんですよ。日本一の知名度を誇るキングカズもゴン中山もJ2にいて観客動員に一役買っているんだから、サッカー普及のためにも是非一肌。岡野もJ2にやってきそうだしね。

2010/12/02

やっぱり監督は東欧人かな

祖母井氏が京都GMに就任=Jリーグ(スポナビ)

誰を呼んできても一向にチーム方針が固まらない京都が思い切った手に出た模様。
この人は市原時代に「私がGMでいる間は日本人監督を呼ぶことはありませんよ」と言い放っていたので、監督人事を見れば誰がイニシアチブを握っているのか分かるかも。
市原でもグルノーブルでも資金難に悩まされ続けたらしいから、「金の使い方を知らない金持ち」に何を教えるのか興味深いところ。

もっともこの人とて市原のGMに就任した当初はベルデニック招聘まで3年連続で残留争いをしていた。チーム立て直しの特効薬を持っているわけではない。
だから、京都のフロントが今までと同じように「結果だけで決める」態度を続けていたらすぐにクビになっちゃうかもなあ。

2010/12/01

ポルトでの通算成績は3シーズンで5得点

ストライカー不足に悩むレアル・マドリー、アルメイダかアデバヨル獲得を画策か(スポナビ)

元々ポルトガルはMF王国でFWはペドロ・パウレタくらいしかめぼしい選手がおらず、そのパウレタもリーグアンが約束の地だったわけで、あまり高いレベルでの競り合いがない。
そんなわけで、ウーゴ・アウメイダもポルトガル代表では「他にいないから」という理由でセンターフォワードを任されているようなイメージがある。実際、国際舞台でも思い出される彼の得点シーンはワールドカップ本大会の北朝鮮戦で、その後のユーロ予選でもキプロス相手に点を決めていたりする。そのキプロス戦は引き分けに終わっていたりするが。

依って従って故に、「あの」イグアインの代理として呼んでくるのはチームにとってもクラブにとっても不幸な結末になってしまうのでは、と思う次第。
今年はブンデスリーガで調子がいいようだから、そのままいた方がいいんじゃないだろうか。

モウリーニョ監督が、ヘスキーとか巻みたいな「得点は後ろがするから前で踏ん張ってればいいの」というセンターフォワードを求めているのなら、話は変わってくるけれど。その場合はサポーターに前以て噛んで含めるように説明しておく必要があるかもなあ。

« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Googleサイト内検索

観戦、旅行、その他諸々

フォト