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2010/07/26

見事に手が合う二人会

日経ホール落語 第六回 「桂雀々 立川志らく 二人会」(日経ホール&カンファレンスルーム)

なんか「あいつよりもっと変な世界を見せてやろう」という心意気がぶつかった感じのする二人会。
面白かったなあ。この2人を組ませた番組制作者は偉いなあ。

クルマで行こうか電車で行こうか迷ったが、代官町IC付近の駐車場は夏休み最初の日曜日ということで混んでいそうなので電車で。
日経ホールにも駐車場はあるが高いしね。

13:30開演と勘違いして「もう間に合わないなあ、この前みたいに最初が雀々と志らくの雑談だといいなあ」と出足の遅い自分の性格を呪いつつ地下道をず〜〜〜っと歩いて辿り着いたら14:00開演だった。
日経ホールのスタバで買ったコーヒーフラッペを飲んで発生した頭痛が収まった辺りで会場へ。

お、演台があるな。そういえば可朝の時は演台無かったなあ。
開口一番は雀々の弟弟子・紅雀で「普請ほめ」。
新築家屋を褒めるという「牛ほめ」(WIkipedia)の前半部分って事らしいが、米朝一門の場合はこうなるのか大分変えていて、甥っ子が1回おじさんの新築家屋をけなして怒られて帰ってきて年上の血縁(別の甥っ子?)に教わって再チャレンジで褒めに行く、という噺になっていた。で、褒め方をメモっていってそれをこっそり見ながら褒める。だから褒め言葉がうろ覚えの与太郎が途中でぐだぐだになる、という笑わせ方でもなくて牛も登場しなくてサゲも違う。(「なんだ、それをアタマの中に入れてきたって訳か」「いや、腹の中」)
へ〜、ほとんど創作だなあ。でも「見ながら褒める」ってところが「それ気がつくだろ!」という感じで気になるのが欠点。

続いて雀々。

枕では上方落語家がどれだけ増えたかと始まって、落語家の人間関係はややこしくて気疲れする、電話でも大変気を遣う、なのに春團治は声が小さくて電話だと何を言っているのか分からない、師匠の枝雀に「なんだか分かりません」と伝えたら「そんな電話切ってしまいなさい!」と言われて切ろうとしたら、今まで聞いたこともない大声で「春團治!」と言ったので、パニクって師匠に「春團治!」とオウム返しに伝えて受話器を渡したら切られていた云々。で、初めて関東に行って先代の小さんに挨拶をして「何(の噺)をするの?」と聞かれて、大物に話しかけられたと言うことでパニクって「落語です」と応えたら怒られて慌てて「手水回し、です」と付け加えたら「んんん〜?」と首を傾げたので「あ、知りませんか?」と思わず聞いてしまってまた怒られて、よせばいいのに「ところで師匠は何をするんですか?」と聞いたら「落語だよ」と応えられた。でも、そんな無礼を働いたおかげで名前を覚えて貰った、、、というわけで本日はそんな思い出の噺「手水回し」(東西落語特選)をします、と繋げていった。上手いなあ、そりゃ枕だけで拍手が湧くよ。
噺は古典にごく忠実なものだったけど、市兵衛のアタマがどれだけ長いかというのを仕草だけで見せて笑わせてくれたりして上手いもんだなあ。

演台が片付けられて中入り前に志らく。枕で傾城の説明をちょっとしてから、すぐ本題。
演題は「紺屋高尾」(WIkipedia)。人情噺で泣くことはほとんど無い自分だけど、最近振られたばっかりなので久蔵の純情には結構ぐっと来させられた。
そういえば志らくの人情噺を生で聞いたのは初めてだなあ。にぎわい座で聞いたときは滑稽話だけだったし。誠に失礼ながら、こんなに上手いんだ、というのが正直な感想。談志が「本気で古典をやれば一番上手いのは志らく」と言っていた訳が分かった。
とはいうものの噺自体は結構さらりと。久蔵の心情が中心で、高尾が言う「これこれこういうわけで久蔵さんに惚れました」という説明台詞は全くなし。高尾の台詞は思い入れたっぷりになりがちなので敢えて避けたってことかな。所詮ファンタジーだし、むしろそういう台詞を無くした方が不自然(女性が聞けば、そんな風には考えないよ、という「不自然」)にならなくていいのかも知れない。
こう考えるとわざわざ古典とは違う台詞を考えた人たち(談志含む)はロマンチストって訳ですな。志らくはそういった人たちよりシニカルなのかな。

中入り後は立て続けに志らく。
枕で「紺屋高尾は本当は談春兄さんの方が上手いんだけど、、、」と言いつつ、蕎麦の話題に繋げていって何故かラーメングルメを罵倒。途中で「こぶ平の落語だね、、、誰も笑わない」と言っていた気がするが。あれ? 噺のくすぐりだったかな。
で、もしや、、、と思っていたら演題は案の定「疝気の虫」(WIkipedia)、、、2度目のナマ志らくで、まさか同じ噺を聞くことになるとは、運がいいのか悪いのか。この噺を聞くと蕎麦を食いたくなるんだよなあ。
演題を紹介したあと「疝気って知ってます? 分からない人は付いてこなくていいです。最近の落語家は説明しすぎるんですよ」と客も罵倒。
これはやっぱり談志の提唱する「イリュージョン落語」への志らくによる挑戦って事なのかなあと大騒ぎの高座を眺めつつ、また笑わせて貰った。ちなみに前聞いたときは確か古典に忠実に主人公は医者だったはずだが、何故か門番というか案内係になっていた。

最後に雀々。先の志らくの疝気の虫について「、、、なんですか、あれは、、、」と感想を一言。でもその後「これから話すのは前の5列目くらいの人たちしか付いて来れないです」と、やはり客をないがしろにする発言で笑いを取って「さくらんぼ(あたま山)」(WIkipedia)。
ということは後半は2人の持ちネタ披露って訳だったんだな。
サゲのところで「だって、こういう噺なんですよ」と言い訳しながらどぶ〜ん。

満足しつつ帰ろうとしたら昇太とすれ違った。2日連続で人気落語家とすれ違うとはなあ。まあ、すれ違う確率が高い場所ではあったけれど。

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