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2009/06/25

ボギー、あんたの時代は良かった

さよなら、愛しい人(ハヤカワ・オンライン)

ギリギリネタバレあり。

映画版「さらば愛しき人よ」の主演はロバート・ミッチャムだけど、チャンドラー作品を読むときはどうしても「3つ数えろ」のハンフリー・ボガードが浮かんできてしまう。

それはともかく、恐らくタイトルだけならチャンドラー作品の中でもっとも有名な「さらば愛しき人よ」の村上春樹による新訳。
チャンドラーを知らない人でも何となく知っているタイトルを「さよなら、愛しい人」と改題した理由は書いていないが、「ロング・グッドバイ」の訳者後書きで述べていた、尊敬する先達の仕事と自分の仕事を区別したかったから、というものと同じだろう。

若いなあ、マーロウ、と苦笑しながら翻訳した、と後書きにあるけれど、確かに「ロング・グッドバイ」と比べると明らかに笑わせようとしている言い回しが多い。その分、細部の書き込みから全体を浮かび上がらせる手法は徹底していないので、初めてチャンドラーを読む人にはこちらの方が取っつきやすいかも。
自分も「ロング・グッドバイ」ではじっくり3日くらい潰したけど、こちらは雑用をこなしながらの2日で読めたから。

ストーリーは再読するまで忘れていたけれど、最後の台詞、
「しかしさすがにヴェルマの向かったところまでは見えなかった」
は覚えていたなあ、清水俊二訳とは言い回しが違うけど。作家であれば一度はパクリたい締めだろうな。

ちなみに次は「湖中の女」を訳したいと後書きにあった。
これは最後に確か治安維持かなんかで駐留していた陸軍の偉いさんが言う台詞
「そういうときは撃っていいことになっている」
が印象に残っているなあ。いや、これだけ取り出してみるとなんでいいのか分かりませんが。

ところでこの「さよなら、愛しい人」っていうのは誰に向かって言われているんだろう。読んでもよく分からなかったりして。マーロウはヴェルマに惚れてたわけじゃないし、ムース・マロイは言われる方だし。言われなかったけど。

2010/12/7訂正
「訳したい」と言っていたのは「かわいい女」だった。何で間違えたかな←自分
で、本当に「リトル・シスター」として刊行。
こちらの方で印象に残っているシーンは特にない。

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