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2009/04/04

ニッポンの恐竜

(Amazon)

近所の本屋に「オバマ・ショック」を探しに行って隣にあったのでついでに買ってしまった本。
リアル本屋の醍醐味はこういったところ。CD屋なら「ジャケ買い」か。

和製恐竜の大メジャーと言えば「フタバスズキリュウ」(いわき市石炭科学館)。
ただ、その名を心得ているのは「のび太の恐竜」に涙した思い出を持つ30男か、そいつにリメイク版を見せられることになったその子供だろう。米国製の恐竜で構成された「ジュラシックパーク」に乗った世代は知らないはずだ。

ところがこのフタバスズキリュウの正式な研究論文が発表されたのは2006年。発見されてから38年も経ってからで、それまでは正式な学名すら付いていなかったんだそうな。「日本最初の恐竜(実際にはサハリンで発掘された)」ニッポンリュウはもっと凄くて62年経ってから。イナイリュウなんてそこそこ骨格が揃って発見され論文も発表されながら、化石そのものを紛失してしまった。

なぜこんなことになってしまうのかという事情を説明したのがこの本。
結局のところ、フタバスズキリュウクラスの大型標本を扱いたくても人がいなかったのが大型化石が発掘された後の大きな問題だという。「人手がない」んじゃなくて「人がいない」。
アメリカや中国、ヨーロッパ各国といった大型恐竜や首長竜の発見が多い場所なら人材が揃っているのだが、日本では滅多に発見されないものなので大型化石を扱える人が育てられなかった、ということらしい。
だから取りかかる人もゼロに近いところから知識を積み上げる必要があったわけで、その作業に掛かりきりになれる人じゃないと、とてもじゃないが完成までこぎ着けられない。
例えばニッポンリュウは1人の研究生が、アメリカの研究者の助力を得ながら専属でひたすら作業に従事し続けた。
フタバスズキリュウはアメリカで首長竜を研究してきた学者が帰国して研究チームに参加してからやっと具体的な成果が論文として発表された。

しかし、じゃあそれまでフタバスズキリュウの「研究チーム」って何をしていたんだ、という疑問にはこの本は答えてくれていないが、古生物研究はそもそもが時間の掛かるものなんだろう。
更に、この本でもいくつか事例が挙がっているが、その後の二次発掘、三次発掘で結果が変わってしまう可能性がある。だから慎重な人ほど結論をなかなか出せないんだろう。それに、今現在国内で体制の整った古生物研究所といえば福井県立恐竜博物館くらいっていう状況も条件を悪くしている。

そもそもが人間よりも遙かに長い期間に渡って地球上を支配してきた恐竜たち。研究もそれにふさわしくじっくりと勧める他ない、ってことなんでしょうな。

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