根拠薄弱な金額
見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること(ITpro)
自治体の費用削減の例として挙げられているが、なんかピンとこない、というかタイトルの付け方が不誠実な気もする。コメントでも「純粋な費用がどこにもない」と突っ込まれているが。
820万円ってのは電話機とサーバの代金。回線費用や「災害時に備え発電機も設置」した代金は入っていないらしい。更に「従来のアナログ回線も40回線残してある」。
少なくともこれらのコストっていくら?
更にいうと、職員手ずからケーブルの敷設を行ったことを誇っているが、「本来の業務をこなしながらのため,就業時間外や土日などを使い」となっているので、意地悪な見方をすればこの作業のためだけに残業したことになる。で、公務員の人たちであるからして、間違いなく残業代は支払われる。というわけで純粋に「残業代=ケーブル敷設作業費」になる。これも立派なコストのはずだけど。
ついでにいうと、業者が持ってきた「見積もり2億円」の根拠が示されていない。サーバと電話機とその搬入現調費だけの値段だったのか、回線も含めての値段だったのか、保守料はどうだったのか、とか。
予定していた導入形式も示されていない。5年リースで5年かけて2億円を支払う、という形なら年間4000万円、7年リースなら3000万円、おそらく業者が許すギリギリの長期リース10年なら2000万円になる。
おそらくそういったことも含めて「こっちの方が安い」と大館市が判断した(と思いたい)から今回のような形になったのだろうけど、値段のインパクトだけでタイトルを付けられてしまっては「英断」を下した人たちに失礼な気がするんだが。
ところで、他の自治体の例でも「職員が行ったのでタダです」みたいなコメントをしている場合が多い。特に会津市は「MS Officeの代わりにOpen Officeを導入したので5年間で1500万円のコスト削減です。インストールも職員がしましたし。」と胸を張るが、1年間で300万円のコストカットなら、悪いけど情報管理部門の人を1人リストラすればもっとコストカットになるよ。
それと「ソフトのバージョンアップはベンダーに頼むと1台3万円かかる」と言っているが、セキュリティパッチならともかくバージョンアップって一々する必要あるの?
まさか2007が出たらすぐ2007にしないと、って考え方で今までやってきたのかなあ。3万円って言ってきたベンダーもいい度胸しているとは思うけど。セキュリティパッチのことをバージョンアップって言っているのなら、その程度のことは職員自らして当たり前。民間はどこだってそうだし。
結局、このITproの一連の自治体関係の記事は「オープンソースはコストカットに有効」という結論ありき、というかそればっかりを強調して書かれているから、説得力のない記事になってしまうんだろうな。
それとも「その導入の際に手を動かした公務員の給料って、つまりは人件費じゃない?」と思う自分は間違っているのかなあ。
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