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2007/02/11

ボブ・ディラン自伝(Vol.1)

ボブ・ディラン自伝(Amazon.co.jp)

結構前に買ってあって、最近になって急に読んだ。
もう2年くらい前に出てる書籍ではあるものの、団塊の世代達が信じるディラン神話をディラン自身が破壊している部分があるので、退職後にこれと併せて「No Direction Home」(Amazon.co.jp)を鑑賞する事で、「フォーク世代」の思い出をリセットするのによいのではないかな、と。訳者もディラン・ファンには歌詞翻訳でお馴染みの菅野ヘッケルだし。

第一章はジョン・ハモンドとの会話から始まって、グリニッジヴィレッジ時代の簡単な経歴が綴られる。いわばデビュー前の修業時代。
第二章はその続き。シンガーからソングライターになろうと思うまで。
第三章は急に時代を飛んで、時代のイコンである事にうんざりしていた時代。「The Basement Tapes」から「New Morning」あたり。
第四章は更に時代を飛んで「Oh Mercy」のレコーディングに関わっていた頃。
第五章はいきなり第一章より前のミネアポリス時代まで戻ったあとに、第一章と第二章で綴られなかったニューヨーク時代のエピソードが綴られる。ここで元カノ、スージー・ロトロ、敏腕マネージャー、アルバート・グロスマンといったディランのファンにはお馴染みの顔触れが登場。

カットアップなんて言葉をちょっと思い出す時空を越えた配列だけれども、背骨となる流れはシンガーからソングライターになるまでってことになるらしい。その辺に絞って各章を説明してみると、
第一章と第二章はニューヨークで素晴らしいシンガー達に次々と出会う事で
「自分の歌を歌わないと、彼等には敵わないままで終わってしまう」
と妙に現実的に決心するまで。
第三章と第四章は創作上の転換点。第三章は自分にまとわりついたイコンの破壊方法(「Nashville Skyline」はその一環だそうな)、第四章ではソングライティングの技法とかギターの演奏方法についてかなり細かく語られている。
そして第五章でロバート・ジョンソンに衝撃を受けた事。これはジョン・ハモンドに発売前のデモ・テープを貰ったそうな。

ディランの音楽上の父はウディ・ガスリー、ってのはよく言われているが、ロバート・ジョンソンってのはこれまでのバイオグラフィー系書籍ではあんまり出てこなかったので興味深かった。ウディ・ガスリーについては経歴のかなり最初の方で「もう自分にとっては終わった」という意味の事が書かれていたりして意外に突き放されている。

ただやっぱりディランのファン以外が読んでも面白くない。
例えば、Oh Mercyレコーディング中にハーレーを買い込んでニュージャージー付近をカミさんと一緒にツーリングしたとか、その際に面白いキャラの持ち主に出会ったりする下りは、いかにもディランが選択しそうなエピソードだし、「ラノワが“ディランの昔の名曲”って感じの曲をレコーディングしたかったらしいのでそうしてやった」なんて、この人じゃなきゃ言えないような台詞だけど、こういう部分はある程度聞き込んだファンじゃないと「ああ、そうだよな」的勘所が掴めないよなあ。

ところで「No Direction Home」は後編を作る予定があるらしいが、この自伝も3部作くらいにする予定らしい。解説に依ればもう見本は出来ているのだとか。

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