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2006/07/10

最大最後の「公共の敵」

今回のW杯に関してドイツの偉いさんが
「ドイツ国民が誇らしげに国旗を振ったのは戦後初めての事かも知れない」
と語っていたそうな。
4年前に朝日新聞が、戦後教育を受けているにもかかわらず、嬉しそうに日の丸を振り、君が代を斉唱するサポーターに戸惑って「健全なナショナリズム」というよく判らない表現を使った事を思い出す。

故あって(単なる暇つぶし)、ベルリンの近代美術館とフィルムミュージアム、そしてポツダム市のフィルムミュージアムを巡る事になった自分だが、これら近代史に深く関わる展示物が歴史順に並ぶと当然、戦前、戦中、戦後という流れになるわけで、戦中は翼賛体制下における表現や報道の統制、戦後は連合国占領下における廃墟からの復興という史実を伝える事が中心になる。(東ドイツの場合は、戦後も統制されてたけど)
で、この展示順、日本人の自分には全く違和感がないんだな。だって日本の近代史と似たような史実が並べられているわけだから。

そんな展示物を眺めて今更ながら気づかされたのは、世界中の先進工業国に対して喧嘩を売り、お互い様の大量虐殺合戦を世界的に繰り広げた国、世界が認めた「公共の敵ナンバーワン」は日独を最後に登場していないという事実。

未だにナチスがハリウッド製戦争映画のネタになり、日本が周辺諸国にネチネチ言われるのも、それを吹き飛ばすような歴史的事実が起きない以上、仕方ない部分があるよな、と思った次第。
そんな歴史的事実は起きて欲しくないし、そもそも巨大コングロマリットの利権が中国もロシアも取り込んで全世界的にこんがらかった現在としては、世界大戦なんて起きないだろう。

勝った国が「ウチらは勝ったんだ」というのは勝手として、負けを認めた以上、変に美化するんじゃなく「戦争ってのは自国にも他国にもロクな事がない」という事実を淡々と伝えていくのが敗戦国としての責務なのだろうなと、ポツダム市からの帰り道、iPodで金馬の「居酒屋」と元ちとせの「ハナダイロ」を聞きながらそんな事を考えていた。(ちなみに他に入れていった落語は志ん生の「らくだ」と三木助の「へっつい幽霊」)

これはもう自虐史観とは別の話。
「我々はかつて、世界の敵だった」
という事実を自覚した上で、起立して国歌を斉唱するという行為は何ら矛盾していないと思う。
第一、その国の国民が振らなければ誰が振るんだ、国旗を。
「ブラジルに勝てっこないよな」
と言った同僚に
「日本人が信じなきゃ世界中の誰が信じる、例え監督がジーコでも」
と声を荒げた自分としてはそう思う。

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