« ベルリン2日目 | トップページ | ラストマッチ »

2006/06/17

フィルムミュージアム訪問

今日(6/16)がドイツ滞在最終日。
本日の観戦予定はスウェーデンvsパラグアイ戦なるも、試合開始はやっぱり午後9時。

有り余る暇を潰すため、昨日見逃したフィルムミュージアムに出かけよう、、、と思ったが「地球の歩き方」を読むと、ポツダム中央駅付近に伝説の映画会社ウーファの旧社屋を再利用したフィルムミュージアムがあるとか。
、、、しかし、書いていて思ったが、これはサッカー観戦記じゃなくて個人的なベルリン紀行になりつつあるな。「熱病フットボール」かよ。

ややこしい話だが、ポツダム「広場」(Potsdam Platz)付近にあるのがフィルムミュージアム・ベルリン。ポツダム「中央駅」(Potsdam Hbf)付近にあるのがフィルムミュージアム・ポツダム
ベルリン中心部からポツダム中央駅に行くのはフリードリヒシュトラーセ(Friedrichstr.)駅から行く手もあるけれど、Westkreuz(読み方不明、ヴェストクレツ?)駅に出てからSバーン7に乗る方が停車駅の数が少ないので早い。
ちなみにポツダム中央駅の1つ手前になるBabelsberg(バーベルスベルグ)駅付近にはドイツ版ユニバーサルスタジオ、フィルムパーク・バーベルスベルグがある。以前はユニバーサルスタジオと言うよりも太秦映画村状態だったらしいが、今はもう少しマシになっているようだ。「ようだ」ってのは行ってないから。1人でテーマパーク行くのもなあ。

しかし、ポツダムに行ってみてちょっぴり後悔。
展示スペースが思ったより狭くて、物も少ない。
その展示物は戦後のものが中心。戦前のウーファに関する展示は全く無い。

個人的に戦後のドイツ映画といえば、ソーセージ・ウエスタンかファズビンダーかポルノか容赦ないスプラッターか「ネクロマンティック」か「バグダッド・カフェ」しか分からないというハンデを個人的には抱えている訳だが、戦後のウーファは東ドイツ側に入ってしまった(会社名は変えていたらしい)からなのか、展示物は東ドイツ映画が中心になっていた。そして展示説明は全部ドイツ語。
つまり、展示されている人や作品がどういうものなのかさっぱり分からない。
正直ドイツ映画史を真面目に勉強している人じゃないと、何が何だか分からない。実際、自分以外には1人も見学者がいなかったし、通りかかった係員も「面白い?」と気を使ってくれたくらい。

調べてみたら、テーマパークは分からないがフィルムミュージアム・ベルリンとフィルムミュージアム・ポツダムを主催している組織は別らしい(ベルリンがDeutsche Kinemathek、ポツダムがDEFA Film Library)。
で、DEFA Film Libraryは東ドイツ映画を保管管理している組織であるため、こういう事になってしまっている模様。対してDeutsche Kinemathekは西ドイツ映画だけでなく、統一後に製作された映画も含めて保管管理をしているらしい。

ちなみに映画会社としてのウーファは今も存在するが、この2組織と直接の関係はないようだ。

ただ、ストップモーションアニメの特集展示があって、わずかに救われた。ジャック・ザ・スケリントン(ナイトメア・ビフォア・クリスマス)やハリーハウゼンのサイクロプスが飾られていたが、本物だったのかなあ。レプリカとは書いていなかったが。
以前は2階にマレーネ・ディートリッヒの化粧室の再現とかあったらしいが、無くなっていた。
替わりに展示されていたのがグリム童話の世界。そういう映画があったらしくてそのセットの再現展示。なかなかグロテスクで面白かったが、期待していた物とは微妙に違う気も。

結局、1時間くらいしかいないままにベルリンに退却。
弔い合戦とばかりにフィルムミュージアム・ベルリンに直行。
ここへの行き方は、フリードリヒシュトラーセ駅から直接ポツダム・プラッツ(Potsdam Platz)駅に向かえばいい訳だが、ウンテル・デン・リンデン(Unter den Linden)駅で降りてブランデンブルグ門を通り過ぎてぶらぶら歩いていくのも面白い。以前はベルリンの壁沿いに歩く事になったようだが、今は再開発の波に洗われてどれが壁だか分からない。
だから逆にベルリンの壁博物館とか出来たんだろうな。
壁は無くなったが道沿いに色々店が並んでいるので、買い物や食事にも丁度いい通りにはなっている。

今回はポツダム中央駅からなので、わざわざ遠回りする事もない、と直接ポツダム広場へ。
フィルムミュージアムはソニーセンターの中にあるが、W杯期間中は中庭にあたる部分で2DFというテレビ局が行う試合中継を絡めたイベントの会場になっていた。
そのイベントの入場は予約チケットが必要なようで、入口には入場制限のロープが張られ係員が立つなど物々しい雰囲気。
とりあえず入口に立っていた係員に
「フィルムミュージアムには入れるの?」
と聞いてみたら
「ああ、入れるわよ」
という答え。
入って、3〜4人でエレベータ前を固めている係員にも同じ質問をすると
「ああ、チケットをあっちで買ってください。」
その「あっち」に行って、6ユーロのチケットを買ってまた質問。
「どこ行けばいいの?」
「エレベータに乗って3階で降りてください」
1階には中庭に入れないように、あちこちにロープが張ってあるのだった。
んで3階へ。

フィルムミュージアム・ベルリンのウリはポツダムと違って戦前のドイツ映画。具体的に言うとカリガリ博士とメトロポリス。
誰かが資料を抱えて西に逃げたのか、例の2組織の間でそういう取り決めになったのかは分からないが。

人物で大きく扱われているのは、パウル・ヴェゲナー、フリッツ・ラング、F・W・ムルナウといった蓮見重彦が喜びそうな表現主義でお馴染みの面々。
俳優陣ではディートリッヒは別格として、ルイーズ・ブルックスが大きく扱われていた。
展示は物というよりモニタを利用した映像と対話形式のナビゲーションが中心。
「M」とかのクライマックスが長々と見られたり、メトロポリスから影響を受けている後世の映画一覧とかが誇らしげに出てきたりする。
従って時間はいくらあっても足りない。見に来る人は1日空けておいた方がいいかも。

戦前の展示はメトロポリスをクライマックスとして、ナチスの台頭で優秀な映画人が次々とハリウッドに逃げ出した辺りで終了する。
確かエドガー・G・ウルマーが出国の時に持ち出した大量の荷物が置いてあった気が。

その後はマレーネ・ディートリッヒ・コレクションを通り過ぎて(ハリウッド・バビロンに「ディートリッヒはライティングにこだわった」とあるが、同じような事が書いてあるパネルがあった)、戦中(「民族の祭典」だったか?)、そして戦後へ。

戦後の展示は主にドメスティックなスター達が中心。
戦後のドイツ映画界で世界的に有名な人物といえばファズビンダー、ヴェンダーズ、エメリッヒ、キンスキー父娘ってとこだが、彼等に関する展示はあまり無い。
誰だか分からない人たちが大きく扱われているので、はっきり言ってドイツ映画をわざわざ選んで見ている人たち以外には面白くない。
個人的にはファズビンダー映画の常連、ハンナ・シグラしか分からなかった。あと分かったのは最後の最後に飾ってあったキンスキーが被ったノスフェラトゥのマスク。

で、この次に控えるのがドイツ映画ではなくレイ・ハリーハウゼンを始めとしたSFXに関する展示。
なんで?
とは思ったが、マニアの方にはたまらないかと。
フロアの半分はストップモーションアニメというかハリーハウゼン関連で占められていたが、もう半分はCG(スパイダーマン)や吊り用のミニチュア(レプリカ多数)、そしてエイリアンとダースベイダーとロボコップの着ぐるみ。エイリアンは全身タイツの地が出ているという思ったより安っぽい作りで驚く。
ここが一番面白かったかも。

その後はドイツのテレビ番組の歴史。これは全く分からない。

そして今現在の目玉、サッカー関連映像の特集展示へ。
1974年のドイツ大会決勝の国歌斉唱シーンが出迎えてくれて、中にはサッカー選手が出ているCMとか、各国のサッカー番組とかが並んでいた。
日本を代表する番組として登場していたのは「スーパーサッカー」。
ブッフバルトが浦和の監督就任直後でサッカーバナナに挑戦した回。
しかし、こうしてみると日本のサッカー番組はちょっと異質なのかなあ。
他は真面目な解説形式だったり、バラエティ形式でも観客を入れている場合が多かったりして、ちょっとばかり雰囲気が違う。
でも他の東アジア代表は中国の番組だったりして。なんで韓国じゃないんだ?

これでやっとフィルムミュージアムとサッカーが繋がったなあ。
と思いつつ1階へ。
昨日通り過ぎながら気になったノスフェラトゥがプリントされたTシャツを買うためにグッズショップ(M-Shop)へ。
書籍も英語表記の物が置いてあるし、他で売ってないような土産を買うにはいい場所かも。チケット無しでも入れるし。

やあ、やっと目的の1つを果たしたと無意味な征服感に駆られながら外に出る。
しかしフィルムミュージアムの周囲を眺めると、メトロポリスに影響を受けたって、映画だけじゃなく今のポツダム広場もそうじゃないのか? という気にさせられる。
町山智宏が「ブレードランナー」の解説で
「完璧に最新式の建物ばかりの街など、核戦争か何かで前時代の建物が完全に一掃されない限りあり得ない」
と書いているが、ポツダム広場は統一後にその「完全に一掃」に近い再開発が行われたので有名建築家が覇を競った最新の建築物が並んでいる。
リッツ・カールトンホテルなんかメトロポリスの中に出てきたビルとほとんど同じ格好だぞ。ホテル前にはエアカーじゃなく、BMW7シリーズとかベンツSクラスばっかり並んでたけど。

さて、今度は土産の算段、と思いつつハーゲンダッツに入る。
「いらっしゃいませ、何にいたしましょう」
幻聴か? と思いつつ周囲を見回すと、店員の1人が自分に向かって綺麗な日本語で話しかけてきたのだった。
自分でも口が片言英語仕様になっているようで日本語がすぐに出てこなかったが、相手は構わず
「いや〜、暑いですねえ、東京と同じくらい」
とか話しかけてくる。やっと自分の口から出たのは、
「日本語話せるんですね」
という、これだけ話しかけられれば聞かなくても分かるだろ的質問。
相手もこの間抜けな質問には答えようがなかったらしく、無視して
「何にしましょうか」
「え〜、マンゴーシャーベット」
「ドイツは初めてですか」
「2回目です、去年来てるんですよ。でもベルリンは初めてです」
「なるほど」
でも金を払ってからの最後の挨拶は
「テュース」
で締めてしまった。
なんつ〜か、さよなら、ってのも変だし。
てな訳で、ポツダム広場に行った人は駅の近くにあるハーゲンダッツに入るといいでしょう。
ちょっと高めのアイスを奮発すれば、ベルリンの耳寄り情報を日本語で得る事が出来るかも知れない。
ひょっとしたらハーゲンダッツ・ジャパンにいた人なのかも知れないな。

« ベルリン2日目 | トップページ | ラストマッチ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47427/10589013

この記事へのトラックバック一覧です: フィルムミュージアム訪問:

« ベルリン2日目 | トップページ | ラストマッチ »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

Googleサイト内検索

観戦、旅行、その他諸々

フォト