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2006/05/04

草津vs水戸

ゲームサマリー・2006 J2 第13節 草津 vs 水戸(群馬陸)(J's GOAL)

草津ミッドフィルダー・チカにとって幸運だったことは2つ。
1つは得点できたこと。
もう1つは、水戸が真ん中から突破を図るチームではなかった事。

J's GOALのゲーム・プレビューでは「まだ周囲との連携に不安がある」と書かれていたが、実際に目にすると、確かに異物感がある。
ただ、これは周囲との連携じゃなく「真ん中でプレー」すること自体にチカがまだ慣れていないことが原因のように見えた。
要するに局面局面でどういう風に視線を配ればいいのか飲み込めていないようで、戸惑ったように立ち止まってしまうことがある。
パートナーの中井が自由自在に動き回っているので、余計にその戸惑い具合が際立つ。

広島の戸田だと思ったが、清水時代にセンターバックからボランチにコンバートされた時に、これまでは前だけの180度に視線を配れば良かったのが、ボランチは360度気を配る必要があるのが辛かった、と語っていたのを覚えている。
ボランチとしてW杯にまで出た選手が「キツかった」なんて述懐しているくらいなんだから、サイドバックとして場合によっては90度だけ視線を配れば良かったチカが、今のポジションで戸惑うのも無理はないだろう。

サイドでプレーする際は攻撃でも守備でも目の前の相手を何とかすれば良い事が多い訳で、そういう場面は強いフィジカルを誇るチカの望むところ。だから怪我が多いのが玉に瑕だが。
柏戦で結構良かったのは、とにかくディエゴを潰せ、と仕事がはっきりしていたからかも知れない。
次節の徳島戦で今ひとつだったのはそういう事か。
今日の試合でも一番生き生きして見えたのはサイドに流れてドリブルで上がっていった時で、前半終わりくらいから何度かそんなプレーを出していた。

足下の技術から判断してもそんなに器用なタイプでもないようだから、慣れるのに時間は必要だろうが、第13節とはいえ彼はこれまでほとんどプレーしていない。
幸い植木監督はフォーメーションをちょこちょこいじるが、個々の役割を大きく変更する事はないので、試合数をこなして慣れていくことは出来ると思う。また怪我しなけりゃいいが。
それと今日は尾本とかが「チカ〜」と声をかけていたりしたが、ポジションに慣れていくにはこういう周りのケアも大事。太田は声をかけなかったようで、チカにバックチャージを喰らわせていたが。

さて試合。
さっきも書いたが水戸の攻撃のキモはサイド。特に右サイドの秋田がドリブルを開始すると草津サイド(佐田)はほとんど止める事が出来ない。本来なら佐田が遅らせ、チカが流れて止めるってのが筋なんだろうが、真ん中でのプレーに慣れる事で精一杯だったチカはそこまで余裕が無い。
そんな風にしてサイドが抜けると、トップに張るアンデルソンに何とかして渡し、そこに下がり気味の西野が絡む、という攻撃。

しかし水戸は真ん中からの突破という攻撃が無い。あるとしたらロングフィード一発。今日はたまたまなのか、そういうチームなのかは知らないが、セントラルMFの小椋は結構なテクニシャンでフェイント一発で相手を交わすことが出来ていたのに、わざわざサイドに振っていたから、そういうチームなんだろうな。
守備に関しては前からチェイスして相手DFのミスを誘い、それで何度かチャンスを作っていたが、連動性はあまり無く、中盤から後ろの守備は「待ち受ける」感じ。
特に誰かをマークするということもなく、ゴール前に壁を作る典型的なリアクションサッカー。なるほど、これなら決定的な個力に欠ける下位陣を相手に取りこぼす事がほとんど無いわけだ。

サイドを破られ倒されていた草津だが、相手が真ん中からの圧力をかけてこないため中盤のパスは結構繋がっていた。
そのため見た目は攻勢。特に前半10分過ぎ、コーナーキックを防いだ辺りから徐々に中盤を支配。ただ、4バック&ボランチでゴール前を固められてしまっているので、なかなかゴールに繋がらない。
前半途中で、敢えて内に切れ込んでゴールを目指そうとしたのか、佐田と山崎がサイドを入れ替えたりしていた。これが選手同士で自主的に行った動きであれば進化したなあ、草津。ゴールには繋がらなかったけど。

前半終わりくらいにチカがミスでボールを奪われ、西野とアンデルソンで突破されかけるが、これはお互いのワンツーが合わずに潰れ、直後にチカがボールを受けて左サイドを駆け上がる。水を得た魚のような動き。太田へのクロスは合わなかったが、島田が拾い、CKに逃げられるまでしばらくゴール前でのチャンスが続いた。
これで吹っ切れたのか、ロスタイム寸前にもチカのサイド突破からチャンスが生まれ、高田のヘディングに繋がったが、これもCKに逃げられてしまった。

後半開始直後にまたチカがミスって秦にシュートされたが、これは外れる。
その後は前半と同じく全般的に草津がボールを持つが、秦&秋田&アンデルソンの誰かにボールが渡ると一気にPAまで持って行かれてしまうという展開。
ただ、草津守備陣も相手にPA内で余裕を持ってシュートさせる事はなく、また
「ああ、あそこじゃ身長が5メートルなきゃ無理だ」
というボールでもない限り止めてしまう高木が相変わらずの安定感を発揮して、ゴールを割らせなかった。

しかし草津のCKは入る気がしないのは何でだろう。高さは足りてる筈なんだが。
白眉は後半の41分から連続4回CKを得たシーン。
得点出来なかったどころか、そこで最終的にキャッチされたボールは相手GKの露骨な時間稼ぎに使われ、それでリズムが崩れてカウンターまで喰らっていた。

そんなわけで、またスコアレスドローかという雰囲気がスタジアム全体を覆い始めた44分。佐田のドリブル突破からのクロスが島田→正美と渡り、チカがシュート。
これが水戸ゴールに突き刺さり、270分に渡る無得点状態に終止符が打たれたと同時に第6節以来の勝利が訪れた。
実際はその直後に水戸の猛攻にあってしまっていたけれど。

個人的に今日はチカばっかり見ていた気がするが、見所は実はもう2つ。
吉本がスルーで佐田に繋げたシーンと、セットプレー時における相手カウンターに対する備えが鳥居塚と佐田というコンビだった事。
何で佐田? 前で見ていた観客も
「なんで佐田? いい加減CKで上がらせてやれよ」
と呟いていた。

さて、第1クールを勝利で終え、9位に浮上した草津。
今年のJ2は戦力値で考えると
「普通適わんな」
というチームが7チームくらいあるので、この順位なら上出来。
「得点力が低い」
と言われているが現在は13得点。実は札幌、神戸も14得点しかしていない。
結局失点が多いわけで、「負ける時は3失点以上」という悪癖、要するに先制されると諦めるのが早い、という課題がシーズン序盤は修正されていなかったということなんだろう。
次の柏戦で勝ち負けはともかくどういう試合を展開するかで、今後の草津に期待するものが見えてくるんでしょうな。

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