ハナダイロ
先行シングル「はるのかたみ」でも「無垢な南国少女」は遠い過去の話なのだなと感じさせられたが、今回の「ハナダイロ」では全般的に重いテーマを扱った歌詞を採用しているためもあり、彼女にそんな時代があった事すら忘れさせてくれる。
「重いテーマ」とは具体的にいうと「死、反戦&平和祈念」。
特に反戦歌に関しては、個人的にそういう歌で「クサさ」を感じず聞けた邦楽はTHE BOOMの「島唄」がぎりぎりで、宮本和史自身もこの歌から先には踏み出せていないように見える。
しかし、元ちとせはその圧倒的な歌唱力で「クサさ」を帳消しにする。
エンタメとして聞ける反戦歌が邦楽からも登場する時代になったのか、と思うと70'sフォークのクサさに辟易とさせられた世代としては感慨深い。
かつて忌野清志郎が
「洋楽でイイのはラブソングと戦争反対を同じくらいの思い入れで歌っているところ、邦楽が遅れているのはそういう部分なんだと思う」
と語っていた事もあったが、その言葉を覆す邦楽がいよいよ出てきた。
ただ彼女の場合、歌唱力だけでなく、南方系の歌声でこういうテーマを歌う先達が、島唄に限らずボブ・マーリーという大元祖がいたりするので、余計に違和感を感じない、という部分はあるのかも知れない。
そういう意味では、「エキゾチックななごみ系」から真の「ワールド・ミュージックの歌い手」と呼べる存在にグレードアップした、という事なのかな。
というわけで、邦楽初とも言える「ドメスティックチャートでもメジャーな」ワールド・ミュージック・アルバム、結構必聴。
ただ、これまでの彼女のファンには、ちょっと重すぎるかも。
しかしこのアルバムに関するAmazonのカスタマーレビュー。
皆さんいい事を書いていますな。
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