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2006/04/30

浦和vs大宮

ゲームサマリー・2006 J1 第10節 浦和 vs 大宮(埼玉)(J's GOAL)

「ダービーマッチ」とされている試合は数多いが、「これをダービーとする」なんて基準は無いだろう。

大体はお互いのホームタウンが地理的に近いために歴史的・民族的理由が色々絡んでなんとなく熱い試合・ダービーになってしまうというパターンだが、地理的には近くなくても深い深い歴史的理由が絡んでダービーとなっている例外もちゃんとある訳で、バルサvsレアル・マドリーのデルビー・エスパニョーラなんてその典型だろう。

逆に問答無用でダービーになる場合は、1つの市町村に同一ディヴィジョンのクラブが複数存在しているケース。このディヴィジョンがトップカテゴリーともなると、かなり敷居の高い条件といえる。
その証拠に今季、日本国内でめでたくその高い敷居を乗り越えているのは今回の「さいたまダービー」ただ1つ。
という訳で、死ぬ前に1回くらいは見ておこうと生観戦に挑戦。

埼玉スタジアムには雨さえ降らなければバイクかチャリで行くのが一番いいかも知れない。
すり抜け運転さえ厭わなければクルマより速いし、電車やバスでスシ詰めにされる心配もない。遊歩道を駐輪場として大開放しているので置き場所の心配も無い。今回はクルマが思い切り交通規制(通称・小野&GW規制)を喰らっていたが、その対象にもならなかった。
加えて、自分のような北関東くんだりからわざわざ物見遊山で来た客にとっては、浦和ICがすぐそばなのがありがたかった。栃木県在住の人なら東北自動車道1本ですぐだろう。

個人的には埼玉スタジアムに入るのも初めてだったので
「お〜さすが欧州基準」
と完全田舎もん状態で(実際に田舎もんなんだが)きょろきょろ見回してしまった。
でもエスカレーターのあるスタジアムって、自分の乏しい欧州経験では今のところ無いな。

問答無用のダービーマッチ、欧州基準のスタジアム、真っ赤に染まったスタンド(83.4KB)と期待を煽る要素は充分揃った。
となれば、あとは試合。
浦和の華麗な攻撃と、それに耐える大宮の一撃必殺(小林大吾辺りのフリーキック)を楽しみに観戦開始。

浦和は小野が怪我から復帰。出場停止のポンテの替わりにトップ下に入るかと思ったが、キックオフ直前のフォーメーションを見た限りトップ下は山田(登録を確認してみたらFWになっていた)。小野は長谷部と並んで中盤低めに陣取る。ポンテに替わってスタメンとなったのは平川。他はいつもどおり。
大宮は奥野がベンチで替わって富田、片岡に替わって小林慶、出場停止の藤本に替わって久永が登場。また、桜井が頭から使われた。

試合が始まってみると、期待とは裏腹にホームの浦和が冴えない。
勿論守備の堅さは相変わらずで、大宮FW・森田はどうにもならない壁を相手にポストワークすらままならない。それ故か途中からサイドにばっかり流れていた。

ところがディフェンスより前が今ひとつ。
一言で言うとパスの出し手がいない。
多分、ブッフバルトの思惑としては小野には中盤の底に構えて貰って、両サイドにボールを配球するグラディオラ仕事を期待していたんだと思う。
ところが「今季はゴールにこだわりたい」とあちこちのインタビューで語っている小野だけに、目の前にスペースができてしまうと後ろで我慢することが出来なくなるようでどんどん前に進出してしまう。
しかもまずい事に4-4-2で3ラインを敷く大宮はDFとMFの間に美味しそうなスペースが良く空いてしまう。こうなると誘われるかのように小野は前へ前へ。

キックオフ直後の写真(48.8KB)
小野はディフェンスラインの前。

試合中の写真(44.1KB)
小野がワシントンのそばにいる。

山田がFWというかトップ下起用されたのはワシントンが落としたクロスボールへの飛び込みと前線からの守備だったんだろうが、小野が前に来てしまうので後ろに下がらない訳にはいかなくなり、結局、鈴木啓と山田の汗かき屋ダブルボランチという予想外の布陣へ。そして長谷部はインターセプトしたボールをひたすらドリブルするくらいしか仕事が無くなり、両サイドへのボール配球はDFラインから。三都主がいくらコネたがりだといっても、ボールを貰う度にピッチの4/3をドリブル突破するのは本意じゃないだろう。前線で我慢し続けたワシントンはイライラしたろうなあ。

前半は結局小野からボールを受けたワシントンがゴールを決めたが、これは完全に個人の力。チームでどうこう、というものではなかった。

対する大宮は浦和よりもパスは繋がっていたが縦へのチャレンジパスが少ないため怖さがない。藤本の不在が予想以上に響いた感じ。前への意識が強く、得点を期待される小林大だと周りを活かすほどの余裕がない。ドリブラー・久永にクロス以外のチャンスメイクを期待するのはお門違い。
また、浦和にとって不幸中の幸いというか、守備を得意とする2人(山田、鈴木啓)が結果的にゴール前に並んでくれたせいで、大宮は中央突破が全く出来なかった。
本来真ん中に構えたチャンスメイクを得意とする小林慶が生きなかったのは、この2人がゴール正面にいたからだろう。
もう1つ浦和にとってラッキーだったのは、前半20分前後にコーナーキックから決められかけたゴールを何とか防いだ事。この辺が「勝負強さ」って奴なんだろうが。

後半もやや似たような展開。
業を煮やしたのか、闘莉王が後半4分くらいから早くも上がりっぱなしになっていた。
また鈴木啓や堀之内も遠慮無くミドルシュートを撃つなど、冴えないなりに何とか主導権を握るべく奮闘。

しかし、大宮が森田を引っ込めてグラウを投入すると闘莉王も下がらない訳にはいかなくなる。
浦和DF陣に挑む「削られ屋」としては、森田では役不足。だから替わって投入されたグラウは相手が嫌がる場所へ場所へと動き回るという全く違う動きをして、大宮の攻撃を活性化。
ただ、これで大宮は前への意識が強くなり、お陰で浦和のカウンターが効き始める、、、って期待と逆じゃん。
鈴木啓が退場を喰らったのも大宮相手に不利な戦いを強いられていたからだろう。

最後の最後に、平川に替わって投入されるもそれほど目立っていなかった永井がワシントンの落としたボールを拾ってゴールを決めて、試合を決めた。
そんなに強いシュートでもなく典型的な「打ったら入った」ゴールだったが、得点は得点。

これで気が抜けた大宮に浦和が初めて猛攻を仕掛けるが、もはやロスタイム。
浦和サポーターの歌う「セイリング」が響き渡った。

ジーコの視察を
「選手に変なプレッシャーをかけたくない」
と断ったと報道された(東スポだけど)浦和だが、確かに今日の出来では視察しない方が良かったかも。
特に立場が宙に浮いてしまった感じの長谷部。かなり苛ついていたのか相手から厳しいタックルを受けるたびに、やたら審判に噛み付いていた。
個人的には
「味方がカウンター喰らってんじゃねえか、抗議するヒマがあったら戻れ!」
と野次りたかった事が2度ほど。
三都主もセントラルMFが仕事分担で混乱したことの煽りを喰らった。相対する波戸の裏を付いて、サイド深くでボールを待っていても来ないんだから。

そして混乱の元を作ってしまった感じの小野。
でも、、、やっぱり凄い。
前を向いてボールを持てば、ほぼ確実にチャンスにしてしまう。
また、チャンスを嗅ぎ分ける能力も桁違い。
今回はバックスタンド高い位置から見ていたが、岡目八目で
「ああ〜、小野がそこにいるのに」
という場面が何度もあった。
もっとも、これは視野が広くて正確なパスが出せる味方が必要なことも確かで、気づいて小野へのロングボール一発でチャンスにしたのは闘莉王くらいだった。
この時は
「単なる上がりたがりじゃないなあ」
と感心させられたが。
山田と鈴木啓は、その能力を活かすべく小野が囲まれていてもわざわざボールを渡そうと奮闘していたが、小野の神出鬼没ぶりに戸惑ったのかパスを出すまで時間がかかってしまったのが悔やまれる。

大宮は、両小林のポテンシャルを引き出しきっていないように見える。
小林大を攻撃に専念させるなら、彼の後ろのサイドバックには上がりを控えさせた方がいいだろうし、そうでないなら小林大自身もう少し守備に気を割かせるようにしないと。ボールを持った小野がよそ見しているのに、そばに1人だけでいた小林大がぼ〜っと見ているだけの事もあったから。

そんな訳で、個人的にはどこか消化不良に終わった感じのさいたまダービー。
シーズン後半、両チームが熟成された時にもう一度見たいかな。

しかし田中達を負傷させた土屋へのブーイングは凄かったなあ。
悪役冥利に尽きると思うが、サイドバックにもかかわらず前半は浦和ゴールへあまり向かえなかったのはゴール裏の迫力に気圧されたからか。後半になると結構上がってたしな。
もっとも土屋をサイドバックで使うのは、どんなもんか、とも思うけど。

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