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2005/06/07

異形の監督 ジェス・フランコ

Francoジェス・フランコが偉大な映画監督である事に間違いはない。
200本近い映画を息をするように撮り続けてきた監督が偉大でないはずがない。
それも全てフィルム撮りで。
とはいうものの、収録されているインタビューでは「別にビデオだっていいんだよ」と言ってしまったりする肩の力の抜け具合がまた良かったりするわけで、この辺は「撮れれば何でもいいんですよ」と言ったりする石井輝男に通じるものがある。

この脱力具合を著者は見習えなかったようで、ほぼ全編に渡って力みなぎる偏愛表現のつるべ打ち。
特に前半部分では作品紹介の最後に必ずと言っていいくらい「お勧め」という言葉が連打され、業界向けのビデオガイド状態。
紹介している作品とは関係のない事が長々と書かれていることもあり「作品自体には紹介するような事がないんだろうなあ」と意地悪な読み方まで出来てしまう。

要するに300ページ以上を費やしたジェス・フランコのファンジン。
ジェスの本質を突いていると思える文章はこの分厚いファンジンの中で2行くらいしか出てこない。
文中から引用すると、
「彼はそう多くの引き出しを持った監督ではない(引き出しの少なさを作家性と呼ぶ事もある)」伊東美和氏
「裸が何を示すのか? 何もなく、ただ裸」中原昌也氏
の2行。

予約までして買う本じゃなかったなあ、ってのが正直な感想。
同じ映画秘宝コレクションの「ゾンビ映画大事典(Amazon)」が非常に良くできていたので期待していたんだが。

ちなみにジェス自身はかなり狭い世界(ジェス・ファミリー)にこだわって映画を撮る人なので、長く多彩な映画人生を送りながら、そのキャリアにはクラウス・キンスキーとクリストファー・リーくらいしか有名人が登場しない。
キャロライン・マンローとかいたりするが、一般に知られた顔とは言えないし。

著者ともう1人変なプロパガンダみたいな文章を書いている人が見習ったのは、この頑迷さかも知れないな。

ただファンジンとはいえ、この先「フランコ本」が出版されるとも思えないので、資料的な価値はある、、、かな?

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