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2005/04/07

テキ殺、詳細説明編

ShockingTruth

悪魔のいけにえ・ドキュメンタリーパック」のもう片方。

相棒となる「ファミリー・ポートレイト」はキ××イ家族を演じた4人のみが取材対象となっているせいか、彼等にとっては度を超した過酷な撮影のために、観客にとってはキ××イ家族のキ××イぶりを堪能できてしまうために、それぞれ強烈な印象が残る「キ××イの晩餐」シーンに話が偏ってしまったきらいがあり、製作から配給までを時系列的に追っている正当派ドキュメンタリー「ショッキングトゥルース」がちょうど良い補足説明になっている。
ただし、単なる補足説明には終わっていない。

アルマジロの死体が映るオープニングシーンのエピソードから始まるが、オリジナルは剥製だったのに対し、こちらはホントの轢死体(に見える)を使っている。凝りすぎ。
その後、製作当時のアメリカの時代背景と「悪魔のいけにえ」に先行したモダン・ホラー映画「生ける屍の夜」「鮮血の美学」の説明を軽く挟みつつ、オリジナル・レザーフェイス、エド・ゲインへと話は移る。
事件当時のエド・ゲインの映像って珍しい気もするが。

こうして当時のトビー・フーパーが製作前に熟成させていたであろう素材をひととおり紹介したところで、いよいよ本編。

「ファミリー・ポートレイト」と異なり、殺す奴、殺される奴、監督、脚本家、プロデューサーその他裏方と、作品に関わった人物がほぼ全員登場。
ただし、兄(ヒッチハイカー)役のエドウィン・ニールと祖父役のジョン・デュガンは出てこない。(コンベンションのシーンでちょっと映る)

この作品の命とも言える小道具担当、ボブ・バーンズの語りが一番興味深かった。
「骨で作られた家具は、殺して食べたあとに残った部分を利用して作る事になるだろうから、何が残るかを考えて製作した」
「大きなハンマーで頭を殴って殺すから、レザーフェイスのマスクは頭がいつも破れていて、針金で補修してある。」
というエピソードから分かるのは「怖そうなデザイン」から入ったんじゃなく、あくまでリアルな発想から入って小道具をデザインしていったという事実。

また、レザーフェイスのキャラクター造形に関するエピソードで、トビー・フーパーとガンナー・ハンセンの間で「奴は大きな赤ん坊だ、凶暴なのはいつも怯えているからで、身を守るためだ」という意見の一致が見られる。

他にはフランクリン(車椅子のデブ)役が如何に嫌われるようなキャラクターになるか腐心した話がやたら出てくる。
最後の最後の撮影で「カネよこせ、でなきゃ降りる」とゴネたらしいから、普段はいい奴、とも思えないが。

このように次々と語られる裏話は、低予算映画につきものの「悲惨な製作現場だったけど今となってはいい思い出」話に留まらず、殺人鬼が暴れ回る低俗な映画にいかにして「生々しい」「ドキュメンタリータッチ」吹き込んだか、というところまで踏み込んだ話になっており、彼らでなければ、あるいは彼らのような発想をするスタッフでなければこの作品が傑作となったかどうか疑わしかった、という事実を引き出している。

ラストシーンのマリリン・バーンズがトラックの荷台で上げた高笑いは「ああ、やっと終わるってほっとして上げたもの。演技じゃなかった。」と彼女自身による説明がなされ、これでオリジナル「悪魔のいけにえ」に関するエピソードは配給に関するゴタゴタへと移る。

ウイリアム・ラスティグ(マニアックコップ)、ジョン・ヴァン・ベッバー(チャールズ・マンソン)がファン代表で出演したりするが、それ以降はオマケみたいなもんだ。

オリジナルのスタッフでパート2に参加しているのはトビー・フーパーとオヤジ役のジム・シードーしかいない。
参加しなかったガンナー・ハンセンは「ギャラが安かったから断った」以上のことは言えない。
ボブ・バーンズも参加していないが、トム・サビーニ制作のマスクについては「素人(レザーフェイス)が作ったように見えない、リアルじゃない」と批判的だった。
残念ながら、パート2のキレたヒーロー、デニス・ホッパーは出てこない。

パート2のヒロイン、キャサリン・ウイリアムズは「キャノン・フィルムのスタッフが演出にメチャメチャ介入してくるので、トビーが可哀想だった」と言っているが、終わりかけていたフーパーを拾い上げ、大作を3本も監督させてやったのが他ならぬキャノンだったわけだから、一概に悪役扱いにはできない。
ちなみにこのキャノンは日本のキャノンとはもちろん関係ない。

パート3(監督の愚痴が長々聞ける)、パート4の話なんかそれこそどうでもいいな。
ガンナー・ハンセンが出てきてはひたすら「ギャラが折り合わなかった」を繰り返してるし。
ただ、「ファミリー・ポートレイト」では「代表作が悪魔のいけにえ」という事実に屈折した感情を抱いていたように見えたが、14年後に製作された本作では悟りきった表情で当時のエピソードを飄々と語っている。続編の出来の悪さが自信を付けたんだろうか。

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