70年代の金持ち兄弟(テキサス編)
「悪魔のいけにえ・ドキュメンタリーパック」の片割れ。
本来であれば「悪魔のいけにえボックスセット」にでも収められていておかしくないが、「悪魔のいけにえ」と「悪魔のいけにえ2」は版権だか配給権を保持している会社が異なるようなので、ボックスセット自体の実現が薄い。
このDVDもいままで「悪魔のいけにえ」シリーズを配給してきた会社とは関係のないカプコンからなので、ボックスセットの実現はますます遠くなったかな。(笑)
とはいうものの、お陰で出演者インタビューやメイキングフィルムといったオマケのためだけに大枚叩いてボックスセットを買う必要がないので、ファンとしては嬉しい限り。
「ファミリー・ポートレイト」は1988年にテレビ用ドキュメンタリーとして製作された物だそうで、そのためか本編が64分と短い。
タイトルに偽り無しでガンナー・ハンセン、エドウィン・ニール、ジム・シードー、ジョン・デュガンとキ××イ家族が勢揃い。
もっとも4人が並んでインタビューを受けている訳じゃなく、1人1人が自宅みたいな地味な場所で受けている。
役のイメージと本人が一番離れていないのがキ××イ弟か兄のエドウィン・ニール。映画と同じく騒々しく喋りまくるので、違和感がない。ポスターとかの小道具に囲まれたスタジオでインタビューを受けていることから、この映画で得た悪名を割り切って利用して仕事をしているんだろう。
一番役からかけ離れているのが、レザーフェイスのガンナー・ハンセン。大変優しい目をして物静かにぼそぼそと話す。
「何かをして世間に知られると、あとで何をしても重要視されない。」
「墓石に『レザーフェイス』って刻まれる。」
という嘆き節が聞けるのは彼からだけ。
オヤジ役だったジム・シードーなんて「続編があれば出るよ」なんて言ってるくらいだし。
個人的にはミイラみたいな祖父役だったジョン・デュガンの声って初めて聞いた。別に嬉しいってもんでもないけれど。
ちなみに彼のインタビューの最中、後ろの廊下を猫が通りすぎるので、間違いなく自宅で撮影されたものと思う。
興味深かったのはカットされたフィルムとして紹介された
「夕食の最中にレザーフェイスが抜け出して化粧直しをする」シーン。
これは何でかというと、夕食時にレザーフェイスは「祖母」になる、つまり「女装」しているからだという。
よほど注意深い観客でなければ気が付かないが、カットされていない部分で見るだけでも他の場面と比べて確かにマスクが白っぽい(白粉のため)し、よく見ると口紅も差している。
この映画は「サイコ」と同じくエド・ゲイン事件をベースにしながら、アンソニー・パーキンスが女装して母親になってしまうサイコがゲインの「マザコン(精神的)」側面を扱っているのに対し、ゲインの「作品(ビジュアル)」を再現する事が主眼となっている、というのが一般的な評価。
ただし「サイコ」が鳥の剥製で「作品」をわずかながら表現していたように、「悪魔のいけにえ」ではこの化粧シーンで「マザコン」部分も扱うつもりでいた事が分かる。
結局このシーンがカットされたことで「ゲインのビジュアル面だけを扱う」ということが更に強調される事になった。
メイキングものでありがちな「幻の未公開シーン」はこれと、エドウィン・ニールがダンプに跳ね飛ばされて血まみれになった顔がアップになるシーン。
「これだけ?」と思うけれど、ガンナー・ハンセンによると予算がなかったので余分なテイクが元々それほどないという。
しかしスプラッシュなシーンやゾンビが出るだけで喜ぶ歳でもなくなった今になって場面場面だけを見ても面白い映画だな。
もう1回通して見たくなった。
ちなみに、日本語音声を選ぶと高橋洋と柳下毅一郎のコメントが聞ける。
ず〜っと本編とは関係ない事を話していたので、画面見てるのかなあ、と思ったがエドウィン・ニールが「血の祝祭日」を引き合いに出したシーンで「あんな映画と比べる事無い」と笑っていた。ちゃんと見てたのか。
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