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2005/02/21

真性老人車

日テレの「バンキシャ!」で、「お年を召されると反射神経が鈍るので自動車の運転は気を付けましょう」という特集を組んでいた。

話題自体は今に始まった話でもない。
いわゆるモータリゼーションの始まりをスバル360の登場あたりに求めるとすれば、CMでもご存じのとおり1958年。
サニーとカローラの登場に求めれば、さらに8年遅れる。
つまり「家庭にクルマがあるのが普通」という時代が始まってから、日本ではまだ50年経っていないわけだ。

このころスバル360、あるいはサニー、カローラくらいなら買える、という人たちが30才だったとしても、現在70代後半。
要するに免許を持っていて、運転もする「老人と呼ばれる事にあきらめがついた」年齢の人たちが大幅に増加した、という時代は10年くらい前に初めて到来していることになる。
これはちょうど「高齢者運転標識」いわゆる紅葉マークの導入時期とほぼ重なる。
それ以前に何でそういったマークの登場がなかったといえば、「老人が車を運転する」という状況がまだ珍しかったからだろう。

目端の利くトヨタはさっそく翌年、老人向けの高級車として「プログレ」をリリースした。
300万から400万してしまうこのクルマは「老人向けのクラウン」を狙ったんだろうが、当時のクラウンがまだ「ゼロ・クラウン(40、50代向け)」ではなかったのが災いしたのか、売り上げは芳しくないまま今まで来ている。
その下のクラスは全て「ウチのクルマは全てユニバーサルデザインなので」ということで済ましているようだ。
そして、他社はこういったクルマを出していないので、パッとしない外観のプログレ以外の「老人向けの高級車」は存在しないまま今まで来ている。

「老人専用車」を開発する場合、問題は「とっさの判断の遅れをどう克服するか」という点が一番高いハードルだろう。
今の運転補助技術は基本的に「やばい場合は人間が判断する」ことが前提なので、老人車に求められるものと逆になる。
うるさいくらいに音声案内してあげる、という手もあるが。
あと「年をとると対向車のライトが眩しく感じる」らしいので、その辺を上手く処理できる偏光ガラスかな。
さらに「でかいクラウンを無理して運転する必要もないや」と思わせるだけのデザインだろうか。
どういうデザインがいいのかよく分からないが。

各業界(特に旅行業界)が「老人の財布をねらえ!」ということを臆面もなく表明している昨今。
紅葉マーク導入から10年経っても、未だにそれらしきクルマが出てこない今こそビジネスチャンス。
「小さいから」という理由でやむなく軽自動車を選んでいる人たちに、「人生最後のクルマにしたい」と思わせる老人車を各社1台ずつくらい作って欲しい。
自分にとっても他人事じゃないし、それに老人車で培った技術は他のクルマにも活かせるだろうし。

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