無念
人間てのは難儀なもので、親しい人の死にでも直面しないと「死ぬ」ということがどういうことなのか実感が湧かない。
人のリアルな死が、実社会上では巧妙に隠されている現代で、人を殺してはいけない、ということを教えるのが難しいのはそんなところにあるんだと思う。
香田君も「死」というものがどういうものか実感がなかったんだろう。
若い頃は誰でもそうであって当然だ。
彼の家族は皆健在だったようだし。
ただ、彼はイラクに行けば答えに近いものが見つかると思ってしまったのかも知れない。
本人を知らない人間の、勝手な憶測ではあるけれど。
返す返すも、無念。
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